『その可能性はすでに考えた』 井上真偽

 論理プロレス。明らかに噛ませ犬でしょみたいなキャラ(因縁あり)が次々出てきて不均衡論理バトルを挑んでくる無茶苦茶ぶりが笑える。雑なバトル漫画じゃん。もう2人目出てきて同じ形式のバトル始まった段階でこれラスボスの攻撃ぜったいアレでしょと思ったら案の定それだった。でもその無茶苦茶な中にきちんとロジックを(無茶苦茶なりに)作り最後まで多段で落として綺麗にしてくるのは安定感あって良かった。

↑マジで何

Kindle Direct Publishing (KDP)がペーパーバックに対応したので早速出版してみた(商品到着編)

 本当に届きました

 前回の記事はこちら。

 上記の昨日の記事に書いたとおり、本当に届くのかと疑う心がありましたが、本当に届いてしまいました。結果的に入稿から48時間以内に本が手元に届いていることになります。すごすぎないか。これ、もはや試し刷りサービスとしても使えてしまうんじゃない?

表紙と裏表紙

 思ったよりちゃんとしてる(失礼)、というのが第一印象でした。

 ここから紙の話をしますが、始めに宣言しますと、紙について私は素人です。すごいとんちんかんなことを書いてるかもしれませんが専門家のツッコミをお待ちしております。

 触った感じ、用紙は普通の、手触り良い程々の厚さの紙です。公式には、紙は80ポンド(220 g/m²)であるという記述があります。ここにもヤードポンドの帝国が……。ここのツールを使って四六版のkgに換算すると約189kgと出ました(四六版に換算していいのか自体わかってない)。素人なのでよくわかりませんが、これ日本で印刷してるんだから、そんなポンド仕様の紙買ってきて使ってるわけなくて、日本で流通量が多い一般的な用紙を使っているはずだと考えれば、近い数字で、OK特アートポスト+180Kとかなのでは、と想像します。若干黄色っぽいのもそれっぽい。一応手元に紙見本があり、見比べてみたところ、まあこれかなぁ~と思う。適当言いました。よくわかりません。

 印刷は、美しいという感じではないが、特に問題は感じないというクオリティです。そもそも今回の表紙デザイン自体があんまりビビッドなものではないので、ちょっと評価は難しいです。

 仕上げオプションは光沢なしを選びましたが、マットPPというやつだと思います。……多分。自信なくなってきた。

 裏表紙の左下に例のクソデカバーコードが付いてアメリカンな風格を放っております。これはバーコード込みのデザインで入稿したら消せると書いてありましたが、そのときにもこのクソデカバーコードを自分で付けないといけないということなのだろうか。表4のデザインには制約がかかると思った方が良さそうですね。

 今回は薄い本だったので背には何も書いていません。ですが、表1と背の間の境界線はテンプレートのガイドに合わせたところピッタリになっていました。

本文

↑左が今回のPODペーパーバック。右が淡クリームキンマリ90K・オンデマンド印刷(STARBOOKS)。この適当な写真では見分けがつかない。写真が適当なので。

 

 

 これもちゃんとしています。っていうか、ペーパーバックっていう単語が悪いんですよ。なんか一昔前の洋書のペーパーバックという連想で、藁半紙かよみたいな灰色のゴワゴワの紙想像しちゃうじゃないですか(俺だけか?)。そう言うんじゃなくてちゃんとした本の品質が保たれています。安心してください。

 クリームの用紙を選択しましたが、これは表紙と同様のロジックで推理すると、淡クリームキンマリ70K……かな……。素人の適当意見なので紙マイスターからのツッコミお待ちしています。公式には、55 ポンド(90 g/m²)という記載があります。またもやリコーのツールを使って換算してみると、四六版で約77.5kg。

 印刷や製本の品質も問題はありません。最初のプレビュー時にNG判定を喰らったマージン無視組版は、結局KDPが受け入れてくれるギリギリまで配置することで回避したのですが、まあ実用上読みやすい本にしようと思ったらマージンこれくらいだよな、というラインにピッタリきています。やっぱりあのプレビュー機能は良いですね。

 さて、実は一番サプライズだったのは、末尾に謎の4ページ追加がなされていたという点です。別に品質に全く問題ないのですが、プレビューの表示と違うものが出てきたという意味で若干驚きました。

 以下プレビュー機能でのサムネイル表示で確認できるように、私が入稿した原稿は本文40ページです。印刷コストとかの計算にもこの40という数字が使われています。しかし、実際に届いた本では、このあとに2枚、すなわち44ページまでが挿入されていました。41、42、43ページは白紙で、44ページにはバーコードと「Printed in Japan 落丁、乱丁本のお問い合わせはAmazon.co.jpカスタマーサービスへ」の記載があります。バーコードはASINでもISBNでもない何かの数字になっており用途は不明です。KDPペーパーバックの管理IDでしょうか。

↑プレビューでは奥付39ページの裏白紙40ページで終わっている

 最終ページにこのバーコードと定型文を入れなければならないという仕様なのだとして、その1枚だけでなく、その前に遊び紙が1枚挟まったのはなぜでしょうか。無線綴じだけど4の倍数縛りが発生するのか? ここは謎なので他のパターンの方の情報があったら下さい。

総括

 現物を手にして、印刷物としてのクオリティは十分であり、何かすごく感動する要素は別にないですが、逆に本としての没入感を削ぐ要素もない、問題のない品質だと感じました。これ、「PODのペーパーバックだと品質がね……」みたいなこと、無いですよ。少なくとも小説本の本文においては。表紙の特殊用紙とか箔押しとか遊び紙とかやりたい人は諦めてください。市場が違う。

 そうすると、冒頭に書いたとおり、入稿から48時間経ってないのに手元に本があるというスピード感がやっぱりすごいと思います。トータルでの評価としては、昨日の記事に書いた小括から変わっておらず、むしろ、これ同人的には結構良いかもしれん……という気持ちが若干強まりました。ロイヤリティの決まり方が営利には向いてないと思いますが、利益出したいわけじゃない小説同人誌の、特に部数が読みにくいイベント合わせではない再版とかでかなり良いんじゃないか……という感じがしております(それKindle版で良いじゃん、と言われたらその通りです。自分もKindle版かPODペーパーバックかという選択肢があったらKindle版で買うと思います。でも、その選択肢があったときにペーパーバックを選ぶ人も必ずいるはずで、その人たちを初期費用なしで拾えるなら良いじゃん、とも思うのです。あとは本作みたいにKindle版にしてもリフローできないやつとかは、ペーパーバックが有効ということもあるでしょう)。

 これから試してみようと思っている人に本記事の情報が役に立てば幸いです。楽しんでいきましょう。

 なお、この印刷製本ってネクストパブリッシングのAmazonPODと仕様同じだったりするんだろうか、というのも気になってます。あと海外でオーダーしたらどういう違いが生まれるのかとか。誰か教えてください。

↑実物の品質をチェックしたいと思ったときにどうぞ。事実上の最安値印刷サンプルだ。ついでに小説も読める。感想ください。

Kindle Direct Publishing (KDP)がペーパーバックに対応したので早速出版してみた(販売開始編)

 昨日、ダイレクトダイビング人柱としてKDPでのペーパーバック出版を実施しました。続きです。

 入稿後約15時間でレビューが完了し、既にペーパーバック版が販売されています。本記事では販売までの流れと商品ページを見てわかること、ここまでの使ってみての感想を書きます。

販売までの流れ

 流れというほどのこともなく、Amazon側でのレビュー(審査)については、体感としてはKindle版を出すときと何も変わっていません。72時間以内に完了するということになっていますが、今回は15時間で完了した、というのも過去にKindle版を出したときの体感と概ね一致しています。完全に想像でしかありませんが、ペーパーバック版のレビュー内容はKindle版と変わらないのでは、と思います(内容に明らかな著作権的な問題がないかとか)。印刷領域のはみ出しとかは前述の自動プレビューで確認できていますからね。

販売開始の通知

 以下が販売開始時に送られてきたメールです。

  • 購入可能にはなったけれども、リンク、商品説明、試し読みなどの各機能やページ上の記載は順次追いついてくるので、ちょっと待っとけということが書かれています。これはまあそういうものなので違和感はありません。ちなみに「出版関連のタイムライン」というのは、こちらのページへのリンクが貼ってありました。
  • コピーの注文、というところに、「著者用コピーの注文を印刷コストで行うことができます」と書いてあります。つまり私の本の場合であれば販売価格の734円(最低販売価格で設定した667円に消費税10%)ではなく、印刷コストの400円(もしくはそれに消費税10%?)で自分用に買えるということでしょう。良いじゃんと思ったのですが、リンク先を読むと、「日本のマーケットプレイス (amazon.co.jp) は現在選択できません」とのこと。日本在住者の場合は、自分の本を手に入れるのも、普通に購入することになるようです。
  • あとはKindle版と変わらない内容かと思います。著者セントラルへの登録は自分で行いました。画面の表示は後述します。

販売ページ

 実際の商品販売ページの、販売開始直後のキャプチャが以下です。

  • 商品説明、試し読み、在庫あり表示、はいずれも問題なく登録されているようです。カテゴリだけ未表示になっていました。これは待っていれば追いついてくるでしょう。
  • この画面を見て個人的に一番びっくりしたのは、☑prime 無料翌日配達 の表示です。調べると既存サービスのネクストパブリッシングでもそうだったので、既に使いこなしていた人にとっては驚くことではないのかもしれませんが、POD自体が初めての自分は、翌日配達ってすごすぎるだろと感動してしまいました。注文するまでまだ印刷始まってないんですよ? この本まだこの世に存在しないのに、それが明日届くって? これは流通モンスターの力ですよね……。実はまだ半分信じてません。今日注文しましたので、本当に明日届くのか疑いながら待ちます。
  • 中央に「すべての形式と版を表示」「ペーパーバック」の表示がありますが、おそらくKindle版と同じ本をペーパーバックで出すと、一般の本と同じように、同一の本に対してKindleと物理本を選ぶ選択肢のような表示になると思われます。Amazonのプラットフォームで販売ができて、Kindle版も物理も同じページで売れる、というのはマーケティング的には大きいと思います
  • 出版社は「Independently published」となっていました。Kindle版は好き勝手に名乗れるのですが、これは強制的に設定されたものになります。ISBNをAmazon経由取得したときに表示されたのと同じなので、ISBNを外部で取得して持ち込んだら独自の屋号を表示することもできるんでしょうか?
  • 試し読みにも対応していて、「表紙」「著作権」「最初のページ」「裏表紙」「ランダムページピック」がコンテンツとして入っていました。
    • 「著作権」だけはちょっと不思議です。今回単体の原稿にするにあたり、3分クッキング的に即席の前付けを入れたんですが、ちゃんとそこが「著作権」ページとして認識されてるんですよね。これはページ位置で見てるのか、なんなのか。
↑試し読み画面で目次を開いたところ
  • Amazonパワーとして特筆すべき点は、今回の出版によって、Amazon.co.jpだけでなく、USUKDEFRESITCAAU世界各国ストアでも販売が開始されています。欧州のストアは既に在庫あり表示になっていました。北米とオーストラリアは現時点ではまだ在庫なしですが、単純な時間差と思われます。
    • これはKindle版でも同じです。ですがKindle版だったら単にデータがダウンロードできるというだけの話、そこまで感動する要素はありません。ところがこれは、海外のユーザーがボタン押したら物理本がその人の家に届くわけで、日本に居ながらにして個人でそれができるって、すごいですよ。すごくないですか? 自分も海外に住んでいたことがありますが、そのときは日本の本を売っている本屋に行くと(一応あるんです日系の本屋が)意味不明な高値で本が売られていて発狂しそうになったものです。そのときは日本から持ち込んだKindle本に救われました(いつco.jpのアカウントBANされないかちょっと心配だったけど)。グローバルにPODできれば紙の本すらまあまあリーズナブルな価格で海外に届くんですよ! ロマンとしてすごく良いと思います。
  • 前述しましたが著者セントラルに本を登録したので、私のページに行くと以下のように紙の本とKindle本が並んでいる状態で表示されます。紙とKindleを横並びでマーケットプレイスに置ける思想ですね。これもいい。
↑著者セントラルで並んでいるところ。一番右が今回のペーパーバック。

ここまでの小括

  • KDPのペーパーバックは、PODとして技術的にすごいことがあるのかというと、多分そんな特別なことはありません(偉そうにいってますが自分はPOD使うのはじめてなので、いやいや違うよというところがあれば誰か教えてください)。プレビューと自動チェック機能は頑張ってると思ったけど、そこくらいか。
  • しかし、Amazonという巨大プラットフォームでの販売ができること、同一本をKindle本とPODペーパーバックの両エディションで販売できること、翌日配達対応など、Amazonの暴力的規模の経済に乗っかれるのはともかく大きいでしょう。小さいPOD事業者はかなり苦しいことになるのではないかと想像します。
  • 一方で、自分は同人活動としてやっているので、同人誌という意味でいうと、いわゆる普通の(PODではない)同人誌の印刷とはセグメントが違うかなと思っています。Amazonの今回の対応を紹介した記事では在庫リスク無し、なんて謳われていましたが、そもそも同人誌で別に在庫リスクって部屋のスペースくらいのもので(いやそれ深刻な問題だが)、金銭的な問題はそこまで大きくないですよね。それに色々紙選びとかこだわって、出来上がった本をイベント会場で頒布するのが楽しいわけでしょう。このKDPのペーパーバックはそこと直接食い合うものではないと思ってます。
  • と、いいつつ、今後どうなるかはわからないもののコロナ禍でイベントが中止になり、同人誌を3桁部自家通販してコンビニの店員に完全マークされた経験を思い返すと、やっぱり発送とかその辺を何も気にしなくていいPODは美味しいし、それがAmazonという販路でできるというのはめちゃめちゃ強いな……とも思ったりします。
  • コストですが、今回はお試し人柱なので自分に利益の出ない最低価格設定ですけれど、現実的にどうなるのかということを試しに試算してみます。今回の『冷たくて乾いた』を収録した合同誌『紙魚はまだ死なない』はB6版、本文210ページです。BOOTH通販時の価格は800円でした(これはBOOTH手数料引かれたあとで印刷費をちょうど良く回収するラインだと思ってください)。KDPの計算ツールに210ページで入れてみると、以下の通り、印刷コスト595円、最低希望小売価格は992円になります。まあ1000円(+消費税で1100円)で売って利益なしということですね。1100円で売れるならかなり優秀じゃないかと思いますけど、どうでしょう? これ判型関係なくページ数で決まるみたいなので、二段組みとかの同人誌ならもっと安く上がる。
↑1100円で売ったら、印刷費595円、ベゾス400円、俺5円、財務省100円。

 以上です。あとは実際に届いたものの紙や印刷の品質が気になるところですので、明日届いたら(本当に届くのか!?)写真含めレビューしたいと思います!

↓↓レビューしました↓↓

Kindle Direct Publishing (KDP)がペーパーバックに対応したので早速出版してみた(登録編)

 してみた!!!(まだ出版されてません。登録完了して審査中の段階です)

(追記)販売開始したので続きも書きました!!

 KDPまだ流行ってない頃にいち早く電子書籍を出してみてから早6年半。ついにKindle Direct Publishingが日本でもペーパーバックのオンデマンド出版に対応したとのことで、早速やってみました! 対応したよという記事がタイムラインに流れてきて知ったのが19:30、そこから作業して21:15に入稿しました。スピードでは負けない。

 といってもそんなスピードで作品が書けるわけはなく、入稿したのは昨年発行したリフロー型電子書籍化不可能小説合同誌『紙魚はまだ死なない』の収録作である『冷たくて乾いた』です。ちょうど先週末にPDF版をBOOTHで出したんですよね。PDFだと作品意図が再現できないのですがとか言い訳しながら出していたところで、なんというタイミング。このサービスの使い勝手やクオリティを見極める意味でもこれ以上の題材はないと、スピード勝負で入稿しました。

 以下に実際の作業内容を振り返りつつ書いていこうと思います。

ポータルから作成開始

 まずこの画面にペーパーバックボタンが出現してるんですよね。押します。あとは全て画面の指示に従うだけです。

 ……ということって普通なくて、事前に色々サービスの仕様とかを調べるもんだと思うのですが、残念ながら本日時点では公式のドキュメントはちょっと記述がわかりにくいなと思いました。

 主なコンテンツはこのあたりにあります。

 ただ、電子書籍の方のKDPも、6年半前に自分が手探りでやったときと比べたら今は大分情報が多くなって親切になりました。このサービスもどんどん育って使いやすくなってくれることでしょう。

 上記の画面で「ペーパーバック」を選んだあとの作業ステップとしては、「ペーパーバックの詳細情報」「ペーパーバックのコンテンツ」「ペーパーバックの価格設定」の3つとなります。

ペーパーバックの詳細情報

 タイトル、作者、カテゴリーなど、Kindle版を出すときと変わらない基本情報を入力します。Kindle版やったことがあれば何も特別なことはありません。はじめて触る人でもつまずくポイントはないと思います。

ペーパーバックのコンテンツ

 ここがメインパートです。ポイントを箇条書きで記録しておきます。

  • 印刷版ISBN:ISBNがないと出版できないのですが、その場でボタンを押すことでAmazonを通して無料のISBNを取得できます。自分は即押ししました。名義はIndependent Publisherということになるようです(そういえばKindle版と違い、「詳細情報」で出版社を書く欄がなかった)
    • (追記)これで払い出されたISBNが、「979-8750530052」でした。979なんだ。日本の一般書籍とは違う番号帯ですね。979-8はアメリカの最近の番号帯?なんでしょうか?→情報いただきました
  • 印刷オプション
    • インクと用紙のタイプで、本文の白黒orカラーorプレミアムカラーが選べ、さらに本文白黒の場合は紙をクリームか白か選べるそうです。今回は小説ですので本文白黒・紙はクリームを選択しました。(追記)標準カラーはco.jpでは選べないという記載がありました。選択肢にはありますが、選んでも日本で販売されないと言うことかと思います。
    • 判型は色々選べ、試していないのですがカスタムで独自判型も入力できるようです。そのときに料金がどう変わるのかとか調べてないのですが、これはすごく可能性を感じる機能です。とはいえ今回は元ネタの原稿がありそれを入稿するので、B6にします。しかしB6という選択肢はなく、128mm x 182mmを選ぶ形でした。全部にしつこくインチが併記してあるのがうるさい。このあたりはアメリカ様商売です。
    • 裁ち落とし設定、よくわからないので普通はなくて良いよって言うのを信用してなしにしました。
    • 表紙仕上げ、これはもう印刷見本とかないのでわからないんですが、今回は「小説やその他のフィクションに適しています」と謳っている光沢なしを選択しました。
    • ページを読む方向。良い質問ですね(今回の作品『冷たくて乾いた』がそれをテーマとしているので)。「右から左・縦書き」を選びます。多分翻訳したからだけど、右綴じ・左綴じじゃないのがアメリカンだ。
↑やたらインチが書いてある判型選択画面
  • 原稿
    • いよいよ原稿のアップロードです。現在、日本語の場合はPDFにしか対応していない模様です。(英語はDOC (.doc)、DOCX (.docx)、HTML (.html)、RTF (.rtf) 形式も対応しているとのことなので、日本語もそのうちそこまで対応するかもしれません)
    • 今回は元原稿がIndesignで作成されているので、単ページ・裁ち落とし無しにしてPDFを作成してアップロードします。
    • 多分Wordとかで書いてPDF化しても(フォント埋め込みだけ気をつければ)全く問題ないでしょう。
  • 表紙
    • 表紙は今回0から作成となりました。元原稿は合同誌収録作なので、今回の単品用の表紙を新規に作成する必要があったためです。
    • 表紙作成ツールというのがあるらしいですが(いまこの記事を書いてて知った)、co.jpでは提供されていません。提供されると良いですね。
    • 私が今回使ったのは、表紙テンプレート作成ツールというものです。ここに判型やページ数を入れると自動でテンプレを作成してくれるというもので、これが特殊判型などにも対応しているようであるということは、このテンプレ自動生成技術に関しては多くの同人出版印刷所よりもすごいことをやっているのではないか、と思いました。
    • で、テンプレを作ってダウンロードしたんですが、zipファイルが落ちてきて、開けてみると……
↑生成されたテンプレート(同じ内容のPNG画像とPDFファイル、readme.txtが同梱)
  • 表紙(続き)
    • いやいや。まず説明が全部英語です。ここで英語になるんだっていう。それは許すとして、ここはヤードポンド法の支配下にあり、私が128mm x 182mmと入力したのに勝手にインチに変換して生じた誤差で128.02mmとかになっております。アメリカ様!!
    • Whatever is visible in your digital artwork will also be visible in your printed artwork.はちょっと好き。ここは日本だろうがアメリカだろうがともかく初心者のやらかしポイントなんだろうなぁ(ちゃんとテンプレを消してから入稿しないとテンプレの線が印刷されるよ、っていうことです)
    • さて、ファイル形式にご注目ください。PNG画像と、PDFファイルです。これをどう使えっていうんだよというところですね。同梱されているreadme.txtによると以下の通りです(もちろんこれも全部英語)
      1. Open the PDF or PNG file for the Paperback Book Cover Template in your image editing software.
      2. Create a new layer in your image editing software. This layer will serve as the design layer.
      3. Design your cover in the design layer, using the template PDF or PNG file as the guide layer. The artwork should extend to the outside edge of the template’s pink zone to ensure a white border will not exist within the printed work. Do not move the guide layer, as it is properly aligned for our printing specifications.
        (後略)
    • 私はIllustratorでこのPNG画像を取り込んで、枠線とかには自分でガイドを作って、その上で表紙を作成して、PDFとして保存して入稿ファイルを作りました。ポイントはPDFで出力しないといけないというところです。表紙もPDF入稿なんですよね。
    • Illustratorが使えない場合、レイヤーが扱える画像処理ソフトであれば無料のソフトウェアでも代替ができると思いますが、PDF化するというのがちょっと面倒かもしれません。そのあたりの処理にせよ、この表紙の作成自体にせよ(説明が英語なのも含め)ちょっと難易度が高めのように見受けられ、印刷原稿を作って印刷所に入稿するという経験をしたことがない方には少々ハードルが高めに感じました。このあたりは今後改善されていくと良いですね。
  • 本のプレビュー
    • 入稿データの表紙と原稿を解析してくっつけ、プレビュー画面で表示して仕上がりをチェックできます。さらに、その際に問題がある原稿は警告が表示されて先に進めないようになっています。これはすごい機能ですね! ここはさすがAmazonだと思いました。
    • 初回のアップロード時、私の原稿はがっつり警告を喰らいました。ただ、かなり正しい警告です。詳細はネタバレになるのですが、この作品は意図的に印刷領域をはみ出して裁ち落としにかかる本文があり(迷惑な原稿だな……)、そこがしっかりNG判定されていたというものです。ネタバレになるので画像を貼りませんが、プレビュー画面でここがダメだよというのを赤枠で囲って表示してくれます。これはすごい。この判定機能やプレビュー機能は、はじめて作った人がノド狭すぎて事故るみたいなのを軽減してくれる良い機能だと思いました。
    • 警告された部分を修正するとOKになりました。このやりとりが自動化されてるのはすごいですね。

ペーパーバックの価格設定

 原稿を作成し終わったので、最後に価格を設定します。ペーパーバックは印刷オプションとページ数に応じた印刷コストが設定されています。さらにロイヤリティレートが60%なので、最低希望小売価格は、印刷コストを0.6で割った金額になります。

 今回の僕の本の場合はページ数が少ないので最低コストの400円になっています。これを0.6で割って、価格を667円と設定しました。つまりこの本が3億冊売れると、僕の懐に0円入ります。よろしくお願いいたします。

審査

 登録を完了すると、そのあとはオペレーターが審査するようです。この審査というのが、Kindle版のような外形的なもの(いや知らんけどね)でサクッとおわるのか、内容に関しても細かく見てくるのか(見られるとなると、この本は結構くせ者なので、コメントされるかもしれない……)、まだ全然わかりません。楽しみに待ってみようと思います。結果は報告します。

 なお、実出版する前に校正印刷ができるみたいでしたが、もうこれはスピードの勝負だと思ったので今回はその機能は使っていません。はじめて印刷する原稿で、クオリティを求めてじっくり取り組む場合は、もちろん使った方がいい機能だと思います。

(追記)販売開始された……。詳細を今夜更新します。→した!!!

 ↓↓続編↓↓

『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選』 野﨑まど・大森望 編

 ファーストコンタクトSF傑作選。言うほどファーストコンタクトじゃないのでは……。

筒井康隆「関節話法」

 いきなりファーストじゃないじゃん。でもすごい。ギャグをここまで広げていけるのさすがの手腕だな……。

小川一水「コズミックロマンスカルテット with E」

 合わなかった。カップリング脳なので。

野尻抱介「恒星間メテオロイド」

 合わなかった。このロマンス要素みたいなやついらないんじゃないかと思ってしまった。

ジョン・クロウリー「消えた」

 結局どうなったのかあんまりよく分からなかったんだけど、この得体の知れなさと人間側の事情が絡み合う感じが好きなファーストコンタクトSFだった。

シオドア・スタージョン「タンディの物語」

 これも子供に得体の知れない奇怪さが噛み合ってくる話の展開が楽しかった。描写に凄みがある。レシピのとこはうるせえなと思った。

フィリップ・K・ディック「ウーブ身重く横たわる」

 よくあるタイプの話だし注意してれば途中で読めてておかしくなかったと思うんだけど、結果的にオチが読めてなくて、最後うおおおってなったので楽しかった。いい短編だ。

円城塔「イグノラムス・イグノラビムス」

 めちゃめちゃ良かった。ワープ鴨から導入して(北大路魯山人要素で笑ってしまった)あっという間にすごいところに連れて行ってSFが展開して戻ってくる美しさ。本書の中で一番すき。

飛浩隆「はるかな響き Ein leiser Ton」

 サラダ作りすぎの描写が良かった。そしたら参考文献で笑った。

コニー・ウィリス「わが愛しき娘たちよ」

 ヤバい話だとは思った。

野崎まど「第五の地平」

 野﨑まどの短編だ……。野﨑まどのSF短編のときの真顔で改段落してギャグが入るの好き。ほぼ全部会話でやってしまうの贅をそぎ落とした感じでいいな。

『スノーホワイト』 森川智喜

 講談社Kindle本50%ポイント還元だったときのソルト佐藤さんのデッキから。信頼できるデッキだ!!(まだ一冊しか読んでないけど!!)

「なんでも知ることのできる鏡」を持つ反則の名探偵少女の特殊設定ミステリ。第一部の短編は特殊設定日常の謎のような感じで始まり、こういうの良いよねと思って読んでいたら、第二部で怒濤のスピード感で特殊設定バトルが始まって、こういうの良いよね!!となってしまった。良かった。悪役が輝いてる。悪い悪役は良いな。なんかちょっと調べたらこの悪役のシリーズなのかこれ……。

PROJECT: SUMMER FLARE

 VRChatワールド作品。ネタバレせずに書くので内容についてはほとんど何も書けませんが、神作品だったので早くやった方が良いです。やれ!!!!

 自分はVRChatはほとんど触っていない(むかしアカウント作ってデスクトップで少し触っただけ、その後Half-Life AlyxをやりたくてOculus Quest 2買ったあとで少しは入ったけどまあそれくらい)ので、他にこういう方向性やクオリティのワールドがどれくらいあるのかとかいうことはよく分かっておらず、そういう比較の話はできないんですが、でも非常にクオリティが高くチャレンジングです。VRChatは色々可能性はありつつも、まあベースはその名の通りChatでしょう、交流用だよね、と思っていたところから、めちゃくちゃに全てを覆してくる(ここまでVRChatで表現できるのかよ!!と三回くらい叫んだ)作品でした。体験に重きをおいたゲーム、それこそHalf-Life Alyx含むValve作品とか好きな人には間違いなくオススメです。他にも、VRChatを含むVRというカルチャーであったり、そういった技術、SF方面の興味を持っている方や、ゲーム内のテキストや意匠から背景設定などを読み取って考察するのが好きだったりするような方面の方々は、絶対にやった方がいいと思います。あと体験に重きをおいているのでやらずに内容を知っても価値が低いと思います。やれ!!!!

 公称「ソロ・複数名・デスクトップ・PC VR(両手コントローラ必須)いずれも体験可能で、想定プレイ人数は1~4人(最大8人)、時間は人数によらず2〜3時間程度」とのことですが、自分は二人でプレイし、プレイ時間は約4時間でした。終盤でOculus Questの電池切れて焦った(Air Linkで遊ぶと快適だけどバッテリーには注意しよう!)

『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』 大鐘良一・小原健右

 宇宙飛行士選抜試験の最終選考を密着取材したNHK番組の記録。めちゃめちゃ面白くて数ページごとにめちゃめちゃ面白いと呟きながら読んでしまった。宇宙ネタの資料探しがきっかけで読んだんだけど、宇宙ネタというよりも、危機におけるリーダシップとかその周りのドラマみたいなのが、試験という人工的環境だからこその明快な観察で述べられていて、人間力、すごいなと思った。NASAに行ってステージが上がって人生の物語がどうこうみたいな話になるのも少年漫画みたいなスケールアップで良すぎる。良い本だった。

↑これも面白かった