『催眠術の日本近代』 一柳廣孝

なんて怪しげな本なんだ、と思って手にとって読んでみたら、とんでもなく予想を裏切る方向に面白かった。催眠術に主眼を置いた、日本近代の文化史。

西洋から催眠術が日本に入ってきたとき、それは動物電気だとかなんだとか言われ、近い時期に入ってきた科学技術と同じ扱いを受け、純然たる医学として用いられたわけで、それがやがて法律で取り締まられるようになったり、鴎外の「魔睡」のように文学作品に登場したり、というようなはなし。個人的に「魔睡」の辺りが特に読んでいて面白かった。あとは、手品をやっていると子供に「電気でしょ!!」とか言われる話。ナポレオンズかよ。一柳先生はこれを書きながらめちゃくちゃ楽しんでいるな、というのも伝わってきて、そこもまたそこで面白かった。なにやら一柳先生が大学でやっている心霊文学の授業は面白くて大人気らしい。

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