『「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史』 原武史

御召列車の章と都電の章がとても面白かった。

都電の章では、原先生が学生に「江戸城がどこにあるか知っているか」「皇居前広場に行ったことがあるか」と問いかける話があった。なるほど自分の脳内のイメージ地図では、霞ヶ関と日比谷の駅は直線で結ばれているし、半蔵門も桜田門も門という実体を持たない記号だなと思った。さすがに皇居の位置くらいは把握しているけれども、それは皇居という実体と言うよりも、「このエリアは地下鉄が通っていないから向こう側の駅に行くにはどちらかから回る必要がある」という空間として理解している気がする。地下鉄という装置に乗って、路線図という作り出された世界の上を移動することが、いかに良くも悪くも現実から乖離した営みなのか、ということ。

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