『フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 >』 佐藤友哉

本書は『ああっ、お兄ちゃーん』と云う方に最適です(嘘)。

なるほど最適だった。

こ、これがメフィストか、というとてつもない圧力を感じた。いま思えば、最初のほうで「笑っちゃうわ。ハレ晴レユカイだわ」とかいう台詞が出てきた瞬間に本を八つ裂きにしなくて本当によかった。

物語上の要請にそって必然性を持った能力が登場人物たちに割り当てられ、物語るためなら誰が狂っても関係ない、しかしそれだけやり放題やっておきながら、「これおめーの物語じゃねーから!!」と突き放され、急激に読者と主人公から世界が遠ざかっているのをみると、公彦くんに若干同情せざるを得ないところがあったりして、というタイミングで打ち込まれるラスト。まさに、『ああっ、お兄ちゃーん』である。

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