『ぼくのメジャースプーン』 辻村深月

『条件ゲーム』を提示できる能力をもつ主人公。全然そんな雰囲気じゃなかったのに、能力モノかよ、という。

その能力の使い方を延々考えるところとか、悪く無いと思うし、ある種儀礼的な行為ですらあるけれど、ちゃんと「ぼく」は我々読者を欺いてくれて、パーツはすべて揃っているという感じがする。しかし、一点気に入らないのは、あまりにも悪を凡庸で低俗に描きすぎていないか、ということ。ものすごく露骨なので、もちろんそういう表現を意図してやっているんだろうけれども、その部分が気に入らなかった。せっかくだし、現実世界のそこら中に転がっている凡庸さから、意識を逸らさせてほしい、みたいな欲求が自分にはあるんだと思う。

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