The Best Offer(鑑定士と顔のない依頼人)

 さて、どこまでが贋作なのか。

 特に鋭い一捻りがあるわけではない、しかし単調というわけでもないミステリーに感じた。

 でも、50%の贋作なんてものはこの世には存在しない。全部が全部、最初から最後まで、この世のすべてが贋作だということにしないと、辻褄が合わない。

 その辻褄の合わなさを言い訳にして、途中で見え隠れする手がかりを無視してきてしまったわけで。どんだけ手が込んでいるんだ、と言わせる贋作にこそ価値がある。贋作の中に愛がある。