『紫色のクオリア』 うえお久光

 もはやいつ誰にだったか忘れたのですがオススメされたのでいつか読もうと思っていたものをやっと機会があり読むことが出来ました。

 筋書きはいいと思ったのですが、ちょっと薄めの語りというか、説明?が合わなかったところがあり、期待したほどには楽しめませんでした。でも多分名作なんだと思います。1本目の後半みたいな芸をハイスパンで繰り出してくれたほうが好み……。2本目も十年くらい前に読んだらドはまりしていた感があります。

KDP: Kindle Direct Publishingを使ってみた感想メモ

 備忘録だか忘備録だかわかんなくなりません?

KDPに登録する

 ここから。KDP用にアカウントを作ったほうが良かったのかもしれませんが、僕はたいして何も考えずにいつものAmazonアカウントの下に作ってしまいました。

 ちなみに、自分の作品を自分で購入してみて動作を確認するという目的を意識するとアカウントを分けたほうが良いような気が一瞬しますが、僕の場合、自分で自分の作品を普通に購入出来たので、その必要は無さそうです(Amazon様に金をドロップするだけで完全に意味のない行為です)。

アカウントを設定する

税に関する情報

 まず見るからにめんどくさいのが「税に関する情報」ですが、先日書いたとおり米国所得税の問題は2015年2月現在、日本語で執筆する限りそれほど気にする必要はありません。源泉徴収はamazon.com(US)での売上にのみ適用されます。

 したがって、素直に米国外に居住する個人であり米国での納税者番号は持っていない体で質問に答えていけばよろしい。質問に一通り答えた後、「源泉徴収率:30%」と表示されていて迫り来る税の気配に一瞬びびりますが、「詳細」にマウスオーバーすれば以下の説明が出てくるはずです。

Amazon.com (米国の Kindle ストア) で獲得したロイヤリティの米国での支払いから、この税率分が差し引かれます。 この税率は、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、スペイン、フランス、インド、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、英国の Kindle ストアで獲得したロイヤリティの支払いには適用されません。

 はい、安心ですね。僕は古い情報(すべての売上にアメリカで課税されるぞ!)に踊らされ、この段階で結構どうしようかと考え、とりあえずIRAに電話するかと思ったところで最新情報に気づきました。

ロイヤリティの支払い

 電子資金振替というのが結果的に銀行振込となります。2015年2月現在、電子資金振替には最低支払い金額は設定されていないので、売上が発生した翌々月には振り込まれるようです。

 これは僕も自分で確認してはいませんので最新情報は不明ですが、米国からの送金となるため日本の口座で受け取るにはリフティングチャージがかかるケースがあるとのこと。回避するには、Citibankや新生銀行など、その手の手数料がかからない系の銀行を使うと良いようです(といっても、ずっとかからない保証はない)。とりあえず無料なので、新生銀行に口座を作りました。まだ振り込まれてないのでどうなるのかわかりません。三兆円振り込まれてくれ。頼む。

小説を書く

 時系列的にはこれが最初に来ます。

小説をePubにする

 今回はAozoraEpub3というツールを使用しました。青空文庫で使用されている注記の書式をつけた状態でtxtを流し込むと、いい感じのePubにしてくれるツールです。青空文庫の注記はちょっともっさりしていますが、まあ今回それほどの量はなかったので対応可能でした。(基本は傍点とルビ)

 他にも、SigilとかでんでんコンバータなどのePub作成ツールがありますが、SigilはePub2にしか対応していない説を読んだのと、でんでんコンバータは今回多用した傍点に対応していないようだったので、AozoraEpub3を使いました。

 また、作業中はじめて知りましたが、ePub(EPUB3)というのは実体はzipであり中身はHTML5です。出力されたファイルの拡張子を変えて解凍してやれば後は手作業で微調整が可能なので、多少それでいじりました。ただし、これをやると元のテキストの方に推敲等を加えるとややこしいことになる。変更管理が大変です。

小説をMOBIにし、アップロード

 Kindleプレビューツールを使用して、ePubをMOBIに変換します。ただ、こいつが謎エラーを吐きまくって心が折れそうになります。一応ちゃんとしたエラーもあるのでそこはePubをうまいことやって何とかすればいいのですが、時々同じファイルを変換していてもエラーが出る時と出ない時があって混乱します。なんだそれは。これで本当に大丈夫なのかと心配になりつつ出来たMOBIファイルをパーソナルドキュメントとしてkindleに送りつけると、あら不思議それっぽく表示されています。甚だ不安ですがKDPにアップロードすると、問題ありませんみたいなことを言われ、表紙とメタ情報を勝手にくっつけてくれます。(この段階でつくことになるので、ePubの段階で表紙を付ける必要はありません)

 表紙がくっついたMOBIもダウンロードできるので、それをまたパーソナルドキュメントで送れば完成品と同じモノを表示確認できます。

 ちなみに表紙画像は、ガイドラインによれば「推奨される縦横比は 1:1.6 」だそうです。しかしながら、この縦横比で表紙を作ると、若干縦長に感じられます。実際kindle上で表示すると、この比率では文庫より背が高く、新書に近い印象になります。次回作るときは文庫くらいの縦横比にしてみようかと思います。(文庫はA6サイズ、1:1.41)

価格を決める

 最低希望小売価格は99円です。ロイヤリティは35%で、35円になります。

 ロイヤリティが70%となるオプションもありますが、その場合は最低希望小売価格が250円となります。また、日本では同時に、KDPセレクトというプログラムに本を登録する必要があります。KDPセレクトに登録するための条件として一番大きなものとして、その電子書籍をKindle独占販売とする必要があります。他の電子書籍サイトでの販売はできないし、自分のサイト等での無料配布も出来ません。ただし、紙での販売は制限されません。

 単純にとりあえず一番安くしようと思ったので99円、35%を設定しました。プラットフォームが使いたいのであって金儲けがしたいわけではない印税三兆円欲しい。

Amazon KDPのいいところ

  • Kindleが使える
    なんだかんだ言って縦書の電子書籍を不自由を感じない程度にちゃんと読めるし少しずつ一人勝ちに近づきつつあるし。Android, iOS, PC, Macがあるので、端末持ってない人でも読める領域になってきた。僕のように紙の本を買いにくい環境にいる人にも強い味方です。
  • (販売プラットフォームとしては)簡単
    振り返ると作業で大変だったのは小説をePub/MOBIに変換していくところで、KDP自体はかなり簡単です。(ただし税の情報に囚われてはいけない)
  • Amazonに載る
    作品はぱっと見はKDP関係なくKindleストアに置かれます。見かけは商業誌と変わりません。また、Amazonの中に自分の作品ページが作られるわけで、SEO的にも強力だと思います。まあオリジナル小説なんてAmazon側からの集客は望めませんが……表示されていること自体がなんかすげーって感じがあります。さらに、ASIN(Amazonの商品ID)が付与されるので、それを利用したwebサービスも勝手にデータを参照してくれます。読書メーターとか

こまったところ

  • Kindleプレビューツールが洗練されてない
    なんか重いのと、エラーコードから事象を切り分けるのが難しい。情報が少ない……。もう少し使ったらいろいろ見えてくる気もするのでメモにしていきたい。
  • パーソナル・ドキュメントがfor PC等に対応していない
    これKDP直接関係ないのですが、表示確認やKindle上での最終推敲の際、パーソナルドキュメントの状態でKindle for PC上に表示できればもっと便利になるだろうなと感じました。発売前の最終段階のチェックとして、Androidで推敲してメモをつけ、PCに戻って画面上でそれを参照しながら本文を修正していく、ということをやりたかったのですが、PCはパーソナル・ドキュメントに対応しておらず、それが出来ませんでした。

まとめ

 読んでくれた方感想くれた方本当にありがとうございます。励みになります。

撈起♥ 撈起♥

 撈起(発音はローヘイ、lo heiです。広東風?)というのは新年の儀式であり、生魚入りのサラダが山盛りになったものを円卓の中央に配し、なんかいろんな具材とかソースとかを店員のおばちゃんが「これは健康、これは金運」みたいなこと(たぶん)を言いながらかけてくれ、準備が整ったら一同箸を構え起立の上おもむろにサラダに箸を差し込んで、ローヘイ、ローヘイなどと言いながら空中に何度ももち上げて一年の幸運を祈るというものです。たぶん高く上げれば上げるほど一年が幸運に満ちてくるので、結果的に質量比20%程度のサラダはこの段階で机の上に飛び散ることになりますが、そこは儀式なので気にしてはならないのと、あと長袖は腕まくりをしておくべきです。漁師の釣り上げるときの動きをして大漁を祈るところにルーツがあるらしいです。あ、この記事タイトルは釣りです。撈起だけに。その新年の風習頭おかしいだろと一瞬思いかけますが、日本では新年の食習慣・餅で毎年死者が出てるんだからそれに比べればサラダが20%どころかたとえ100%失われても大した問題では無いと言えます。ちなみにこれメインランドの人もやるの、と聞いたら、多分シンガポールとマレーシアだけだとのことでした。

 今日は仕事はじめなのでそれをやりました。

 ローカルっぽい話題で言えば、henaiさんが東京でも肉骨茶が食べられるという情報を公開されていました。マレーシア系のようですね。ところでhenaiさんがおっしゃっている小説というのは二十二分間の予言というやつです。読んで食べよう。

『雨の日のアイリス』 松山剛

ここにロボットの残骸がある。

 冒頭一行で勝ちを決めに来ていた。

 日本型ロボットSFの王道を走っている感じだと思った。単巻完結のこういう良い作品が世に増えて欲しい。ロボットそのものの技術的なところか意義とかを突き詰める方向性ではない。そのためある意味ではファンタジーに近い。構成も筆力も素晴らしく、読んでいて結構心に来る。つらいものがある。一章みたいな書き方と、その後みたいな書き方ができるの、攻撃力高くてすごいと思った。

 作者は似たような名前の作品を続けて二作電撃文庫から出していますが、シリーズとかではないようです。

ベイマックス

 最高。

 日本かぶれアメリカンをディズニーの文法に完全封入してお届け。サンフランソーキョーってなんやねん。背景とかすごくジャパニメーション風ですが(坂道とか……新橋とか……)、しかしお話は王道ディズニーであり、見ていて心地よい。非常に密度が高いというか、やらなければならないことは全て確実にやっている。もはや機能美に近い。ディズニーのシナリオの人たちってどうなってるんだ。イメージとしては、なんか討議形式で書き進めてそうな気がする。限界まで叩いてるというか……。

 ちょっと見るタイミングが遅めになってしまったけど見てよかった。素晴らしい。アナとかよりこれを子供に見せろ。なにがレリゴーだ。

Lucy

 モーガン・フリーマンが出ていなければ即死だった系クソ映画だこれ、見よう!と思ったらモーガン・フリーマンでもカバーしきれない爆死映画だったので非常に楽しめました。

 ネタバレ含みますが、こういう人類の次のステージいっちゃう系の話として、そのトリガーがひょんなことから新種の麻薬を摂取してしまった!なの適当感すごいし、見えないものが見えるようになり、電磁波を操作して色々できるようになるところまではあるとして(ない)、「物質とか物理法則とかそういうのはまやかし。全てを支配するのは時間だけ」みたいな若干それっぽいことを言った後に最終的には時間を操作し始めるのさすがにすごすぎると思った。体裁を整えるためにカーアクションと銃撃戦入れときました!という感じも笑えるし、韓国人バズーカも非常にじわじわくるものがあった。最高の映画です。

SFっぽいものを書いてKDPに置いた 『二十二分間の予言』

 というわけでやってみました。Kindle Direct Publishingで出すまでの手順とか使い勝手、感想みたいな話は別に書きますが、結構簡単。

人類が火星まで進出する時代。宇宙的スケールの「情報的距離を無効化」するため、未来を予言する能力を備えた人工知能が見たのは、火星との通信途絶と太陽系外知性からの干渉だった。無表情の美少女を「器」として操る情報予言知能・ヨミは、自身の設計者である天才科学者の遺した研究ノートの捜索を要求する。エスコートを任された科学者の孫・佐久間サトルが研究所の地下で発見するノートの内容とは。

 SFっぽい話です。題材は宇宙における通信、人工知能、未来予知などです。一方でご当地グルメ情報なども盛り込みましたので、ぜひご賞味ください。分量は5万字はいかない程度で、自分のKindleでは読み終わるまで32分と表示されます。

 KindleはKindle(物理)を持ってないと読めないと誤解されているところがありもったいないですが、実際には現在、AndroidiOSWindowsMacで読めるようになっていますのでお試しください。

 そもそも発端は、Portalという超絶面白いゲームをやったら超絶面白かったのでAIの話が書きたいと思ったからです。このコンパクトに高完成度で完全無欠にまとめたところから2があっていやいや2は無理でしょwと思ったらそれが感動の超大作なのすごくないですか。超有名タイトルなので、やるのおせーよと言う話なのですが、最高でした。

 Portalはまずパズルゲームとして新ジャンルを自分で作ってしまいました。Steamで動画を見てもらえばだいたいわかると思いますが、Portal Deviceを使って空間を繋げることで、それぞれのマップ(「テストチャンバー」と呼ばれます)の出口に辿り着いてクリア、というのを繰り返して進んでいくゲームです。

 でまあそれだけだとなんか新感覚FPS酔いしまくりそうなパズルという感じですが、素晴らしいのは演出とキャラクターです。演出で好きなのはコンパニオン・キューブさんが登場するところです。ゲームの一場面、これだけ短い体験で感情移入とは何かをここまで考えさせるのは本当にすごいと思います。キャラクターではやはりメインヒロインのGLaDOSさんというAIの方が素敵です。Trailerでしゃべっていらっしゃる方になります。彼女は被験者である主人公のテストをサポートしてくれます。サポートしてくれるのは一瞬だけで後は基本的に罵倒してくれます。最高。あと歌う。最高。

 Portalは1と2のBundleで通常価格S$25です。日本でいくらなのかは知らないので各自見てください。度々セールをやるのでその時はかなり安くなるはずです。あとXBox版とかもあるようです。やったことがない人は今すぐ買うか、セールのタイミングを待って買いましょう。

KDP: Kindle Direct Publishingでの米国所得税源泉徴収は(ほとんど)気にしなくて良い

 小説を書いたのでKindleストアに置いてみようと思いKindle Direct Publishingについて調べていると、「KDPでの売上は、特別に申請しない限り30%の米国所得税が源泉徴収される」という情報がたくさん出てきて、日本との二重課税を回避するための申請方法などがたくさんヒットします。EINとやらを得るためになんかFAXしろとか(持ってねえよ)、電話かけろとか(時差……)でてきてめんどくさそうです。

 が、これは情報が古くて、現在30%の米国所得税が源泉徴収されるのは、Amazon.com (US)での売上のみで、Amazon.co.jp (日本)を含むその他のKindleストアでの売上には適用されないことが、ヘルプページに明記されています(2015年2月16日閲覧)。

* 米国以外の Kindle ストアで得たロイヤリティについては、Amazon は米国の源泉徴収税の徴収を行いません。

 このことを公式ソース付きで言及しているブログ等が見当たらなかったのでここに書いておきます。

 日本語で書いている時点で売上のほとんどはAmazon.co.jpでしょうから、大きな改善と言えると思います。海外在住の日本人(俺もじゃねえか)とかが.comの方で買えば売上は立ちますが……割合としては少ないでしょう。日本国内から英語で書く人は、従来通り米国TINの取得等の手続きをした方が良さそうですね。

 書いた小説はただいま審査中です。