KDP: Kindle Direct Publishingを使ってみた感想メモ

この記事は2015年時点の情報なので書いてあることがめちゃ古いです! 令和になってもアクセスしてくれてありがとう!

 備忘録だか忘備録だかわかんなくなりません?

KDPに登録する

 ここから。KDP用にアカウントを作ったほうが良かったのかもしれませんが、僕はたいして何も考えずにいつものAmazonアカウントの下に作ってしまいました。

 ちなみに、自分の作品を自分で購入してみて動作を確認するという目的を意識するとアカウントを分けたほうが良いような気が一瞬しますが、僕の場合、自分で自分の作品を普通に購入出来たので、その必要は無さそうです(Amazon様に金をドロップするだけで完全に意味のない行為です)。

アカウントを設定する

税に関する情報

 まず見るからにめんどくさいのが「税に関する情報」ですが、先日書いたとおり米国所得税の問題は2015年2月現在、日本語で執筆する限りそれほど気にする必要はありません。源泉徴収はamazon.com(US)での売上にのみ適用されます。

 したがって、素直に米国外に居住する個人であり米国での納税者番号は持っていない体で質問に答えていけばよろしい。質問に一通り答えた後、「源泉徴収率:30%」と表示されていて迫り来る税の気配に一瞬びびりますが、「詳細」にマウスオーバーすれば以下の説明が出てくるはずです。

Amazon.com (米国の Kindle ストア) で獲得したロイヤリティの米国での支払いから、この税率分が差し引かれます。 この税率は、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、スペイン、フランス、インド、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、英国の Kindle ストアで獲得したロイヤリティの支払いには適用されません。

 はい、安心ですね。僕は古い情報(すべての売上にアメリカで課税されるぞ!)に踊らされ、この段階で結構どうしようかと考え、とりあえずIRAに電話するかと思ったところで最新情報に気づきました。

ロイヤリティの支払い

 電子資金振替というのが結果的に銀行振込となります。2015年2月現在、電子資金振替には最低支払い金額は設定されていないので、売上が発生した翌々月には振り込まれるようです。

 これは僕も自分で確認してはいませんので最新情報は不明ですが、米国からの送金となるため日本の口座で受け取るにはリフティングチャージがかかるケースがあるとのこと。回避するには、Citibankや新生銀行など、その手の手数料がかからない系の銀行を使うと良いようです(といっても、ずっとかからない保証はない)。とりあえず無料なので、新生銀行に口座を作りました。まだ振り込まれてないのでどうなるのかわかりません。三兆円振り込まれてくれ。頼む。

小説を書く

 時系列的にはこれが最初に来ます。

小説をePubにする

 今回はAozoraEpub3というツールを使用しました。青空文庫で使用されている注記の書式をつけた状態でtxtを流し込むと、いい感じのePubにしてくれるツールです。青空文庫の注記はちょっともっさりしていますが、まあ今回それほどの量はなかったので対応可能でした。(基本は傍点とルビ)

 他にも、SigilとかでんでんコンバータなどのePub作成ツールがありますが、SigilはePub2にしか対応していない説を読んだのと、でんでんコンバータは今回多用した傍点に対応していないようだったので、AozoraEpub3を使いました。

 また、作業中はじめて知りましたが、ePub(EPUB3)というのは実体はzipであり中身はHTML5です。出力されたファイルの拡張子を変えて解凍してやれば後は手作業で微調整が可能なので、多少それでいじりました。ただし、これをやると元のテキストの方に推敲等を加えるとややこしいことになる。変更管理が大変です。

小説をMOBIにし、アップロード

 Kindleプレビューツールを使用して、ePubをMOBIに変換します。ただ、こいつが謎エラーを吐きまくって心が折れそうになります。一応ちゃんとしたエラーもあるのでそこはePubをうまいことやって何とかすればいいのですが、時々同じファイルを変換していてもエラーが出る時と出ない時があって混乱します。なんだそれは。これで本当に大丈夫なのかと心配になりつつ出来たMOBIファイルをパーソナルドキュメントとしてkindleに送りつけると、あら不思議それっぽく表示されています。甚だ不安ですがKDPにアップロードすると、問題ありませんみたいなことを言われ、表紙とメタ情報を勝手にくっつけてくれます。(この段階でつくことになるので、ePubの段階で表紙を付ける必要はありません)

 表紙がくっついたMOBIもダウンロードできるので、それをまたパーソナルドキュメントで送れば完成品と同じモノを表示確認できます。

 ちなみに表紙画像は、ガイドラインによれば「推奨される縦横比は 1:1.6 」だそうです。しかしながら、この縦横比で表紙を作ると、若干縦長に感じられます。実際kindle上で表示すると、この比率では文庫より背が高く、新書に近い印象になります。次回作るときは文庫くらいの縦横比にしてみようかと思います。(文庫はA6サイズ、1:1.41)

価格を決める

 最低希望小売価格は99円です。ロイヤリティは35%で、35円になります。

 ロイヤリティが70%となるオプションもありますが、その場合は最低希望小売価格が250円となります。また、日本では同時に、KDPセレクトというプログラムに本を登録する必要があります。KDPセレクトに登録するための条件として一番大きなものとして、その電子書籍をKindle独占販売とする必要があります。他の電子書籍サイトでの販売はできないし、自分のサイト等での無料配布も出来ません。ただし、紙での販売は制限されません。

 単純にとりあえず一番安くしようと思ったので99円、35%を設定しました。プラットフォームが使いたいのであって金儲けがしたいわけではない印税三兆円欲しい。

Amazon KDPのいいところ

  • Kindleが使える
    なんだかんだ言って縦書の電子書籍を不自由を感じない程度にちゃんと読めるし少しずつ一人勝ちに近づきつつあるし。Android, iOS, PC, Macがあるので、端末持ってない人でも読める領域になってきた。僕のように紙の本を買いにくい環境にいる人にも強い味方です。
  • (販売プラットフォームとしては)簡単
    振り返ると作業で大変だったのは小説をePub/MOBIに変換していくところで、KDP自体はかなり簡単です。(ただし税の情報に囚われてはいけない)
  • Amazonに載る
    作品はぱっと見はKDP関係なくKindleストアに置かれます。見かけは商業誌と変わりません。また、Amazonの中に自分の作品ページが作られるわけで、SEO的にも強力だと思います。まあオリジナル小説なんてAmazon側からの集客は望めませんが……表示されていること自体がなんかすげーって感じがあります。さらに、ASIN(Amazonの商品ID)が付与されるので、それを利用したwebサービスも勝手にデータを参照してくれます。読書メーターとか

こまったところ

  • Kindleプレビューツールが洗練されてない
    なんか重いのと、エラーコードから事象を切り分けるのが難しい。情報が少ない……。もう少し使ったらいろいろ見えてくる気もするのでメモにしていきたい。
  • パーソナル・ドキュメントがfor PC等に対応していない
    これKDP直接関係ないのですが、表示確認やKindle上での最終推敲の際、パーソナルドキュメントの状態でKindle for PC上に表示できればもっと便利になるだろうなと感じました。発売前の最終段階のチェックとして、Androidで推敲してメモをつけ、PCに戻って画面上でそれを参照しながら本文を修正していく、ということをやりたかったのですが、PCはパーソナル・ドキュメントに対応しておらず、それが出来ませんでした。

まとめ

 読んでくれた方感想くれた方本当にありがとうございます。励みになります。

Amazon.co.jp: 二十二分間の予言 (ささのは文庫) eBook : 笹帽子: Kindleストア

タイトルとURLをコピーしました