『ふたりの距離の概算』 米澤穂信

 いいタイトルだ。大日向氏つよすぎるでしょう。遠まわりする雛みたいなのを書いておいて次巻でこういうのを入れてしまう強さ……。プロ作家のプロ性というのは文章力とかそんなんではなくてこういうことをできるか否かではないのか。違うか。

 あとはタイトルとマラソンという学校行事の使い方のうまさで、安楽椅子どころか走らされている探偵(と表現するとじわじわくる)。でも、走ってるんだけど、事態を劇的に変えられるとは思っておらずむしろ無力感にずっと囚われている。そして実際、すべてハッピーエンドにならないところが持ち味なのでした。面白かった。