『りゅうおうのおしごと!』 白鳥士郎

 アニメ化まで2手スキと囁かれるので読んでおきました(もっと速いかも)。クオリティ高かったです。過去作品読んだことありませんが、作家の実力だと思います。なんというか、もともと将棋が好きな人がそのエネルギーだけで書いた作品、将棋ファンに読んで欲しいと思って書いた作品、という感じがしないですね、良い意味で。それよりも、プロ作家としてしっかりと取材をして書いている感じ、将棋の魅力を抽出翻訳して読者に伝えてやろうという意欲を感じました。

 といってもクオリティ高いというのは分野と文脈における話であって、将棋ペンクラブ大賞で手にとった硬派な将棋ファンの人が読んだらまずずっこけると思いますし(将棋ペンクラブ大賞大丈夫なの?)、ひふみんの推薦文ついてるけどほんまかいなという世界ではあります。でも賢い幼女が好きな人はいけます。賢い幼女最高。

『時砂の王』 小川一水

 王道っぽいSF。海外モノのような硬派な語りでありながら、メインの舞台は邪馬台国、ヒロインが卑弥呼というジャパニメーションっぽい雰囲気が楽しめた。ただ読後感としては物足りないというか、収まるべきところに収まったというところで終わってしまっている感じがした。

『バビロン 2 ―死―』 野崎まど

 えげつねえ!

 読む前に1巻を読みなおしたんですが、やっぱり一番好きなのが「曲世ーーーーーーーーーーーッ!!!!」のシーンなんですけど、本巻でも「曲世ぇッ!!!!」で声出てしまったし、後半明らかにそれ意識的に使ってるよねっていうか「名を叫ぶことだけだった」とかもう狙いすぎだろ。本文に書かずに読者の脳内で「曲世ぇッ!!!!」を再生させるのやめろ。技術だと思う。技術?

 もう「曲世ぇッ!!!!」と「正崎さぁん」だけのドラマCDを出してほしい。

 絶対的なチート能力者っぽいのを出しても、それが(善かどうかはともかく)悪ではない、というのがこれまでの野崎まど作品だったと思います。1巻から本巻の途中までは、曲世が一体どうなのか(どちらなのか)、あるいはひょっとすると彼女は彼女なりの何か理念を持って行動していて、そこに着地点があるのか、みたいな読者の希望を見事に打ち砕く、悪。ここからどのような結末を迎えるのかとても楽しみです。早くだして。

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『すべてがFになる』 森博嗣

 評価されているだけあってよくできているなあと思った。けど、大絶賛できる程でもないような気もするというのが正直なところ。「天才だから」で全部ぶった切るにしては勢いがないので、船乗れなくね?とかそういうところで引っ掛かりが出てしまう(天才力がもっとあればこまけえことはいいんだよになると思うけど)。方向性としては好き。