子供の頃読んで面白かった本1~10

 いわゆる私的オールスターみたいな感じで、100冊選ぼうと思ったんですけど、100冊も行かなかったので、まあ順次増やしていくということで、とりあえず子供の頃読んだやつはもう増えないのだから、というまとめです。つまり最終的には笹100冊企画の最初20冊がこれになるはずみたいなそういう感じですね。と、20冊並べるつもりで思って書いたんですけど、10冊書いたらすでに結構息切れなんで、まずは10冊だけ。

 子供の頃というと、読書記録なんてつけていませんでしたし、記憶には残っているけれど何ていう本だったかわからん、みたいなのもざらで、きっと抜け漏れ多数なのでしょうが、思い出したものを書き出してみました。

 この10冊は読んだ時期は小学生だと思います。(シリーズで読み続けたやつは完結する頃にはもっと年いってたというのもある)

#1 『ふしぎな木の実の料理法(《こそあどの森》シリーズ)』 岡田淳

 これは小学校低学年くらいかと思いますが、好きだったシリーズです。『こそあどの森』という不思議な森を舞台に不思議な登場人物たちが何やかやする話です。長寿シリーズのようでなんと今年の2月に12作目が出ている……。僕が読んだのは5巻くらいまでかと思いますが記憶が曖昧です。

 もう細かい話の中身なんて覚えていないのですが、毎回出てくるたびに名前が変わっている双子というキャラがいて、それが好きだったのと、その双子が活躍した2巻の「まよなかの魔女の秘密」がスリリングな展開で好きでした。あとは4巻の「ユメミザクラの木の下で」が幻想的かつ感傷的で、これも大好きでした。冷静に考えると、文字が並んでいるのを読んでハラハラドキドキするとか、読んで切ない気持ちになるってすごくないですか。物語というものが力を持ちうるという感覚はこういう作品を読んで植え付けられているような気がするなと今更に思います。

#2 『選ばなかった冒険 光の石の伝説』 岡田淳

 上記『こそあどの森』シリーズの作者が岡田淳ですが、この人の作品はほぼ全部好きだったので読み漁っていました。この人の作品は、むしろ『こそあど』を除けば多くが日常の魔法/ローファンタジー系だったと思いますが、この作品も学校という基底現実からゲームの世界に入り込んでしまうという冒険モノです。しかし、ゲーム世界に転生して無双するみたいな現代的なやつではなく、ゲームと現実が上手いバランスで交錯していきます。まあ当時の世の中の論調でいうところの「ゲームで簡単に敵キャラを殺すように命を軽く考える子供たち」「ゲームで失敗したらリセットできるのに慣れてしまう子供たち」みたいな概念へのアンチテーゼ的な感じ、と言ってしまうと急に安っぽいですが、ともかく、ゲーム世界に入ってしまうというあらすじのキャッチーさからは想像付かない硬派さだったのが印象的です。

#3 『ぼくの・稲荷山戦記』 たつみや章

 主人公は稲荷山神社の巫女の家系の息子。ある日家にやってきた奇妙な居候が「腰までとどく長髪に、和服の着流し、アブラゲが大好きな美青年・守山さん」。山と古墳を切り開こうとするレジャーランド開発計画に二人が協力して立ち上がる話。

 狐属性好きになったのはこの作品の影響かもしれんと最近思い出しました。和風ローファンタジーとして一押しの作品です。

#4 『はてしない物語』 ミヒャエル・エンデ(佐藤真理子訳)

 説明不要の超名作。上のは文庫ですが昔の赤いでかい装丁のやつ、そそりますよね。あと古い方の映画のフッフールの眉毛ツボですよね。

#5 『ネシャン・サーガ〈1〉ヨナタンと伝説の杖(《ネシャン・サーガ》シリーズ)』 ラルフ・イーザウ(酒寄真一訳)

 ミヒャエル・エンデが評価したドイツの児童文学作家、ラルフ・イーザウの出世作。『はてしない物語』リスペクトか、基底現実とハイファンタジー世界の二重構造で物語が展開していく。というか平行世界二重構造モノ好きなんですよ。こういうのに影響受けすぎて。

 ファンタジー世界(ネシャン)の主人公ヨナタンは、ある日不思議な杖を発見し、その伝説の杖を世界を救うと言われる『第七代裁き司』に届ける使命を負ってしまう。一方、現実世界の車椅子の少年ジョナサンは、眠るたびにヨナタンの夢を見ていた。しかし、段々と夢に見る時間が長くなり、その分だけ現実世界の記憶が消えていく症状に悩まされる。

 今から考えるとキリスト教的な話がかなり入っているのですが、読んでいたときはそんなこと知らんし単純にファンタジーとして楽しんでいました。伝説の杖ハシェベトを始め、便利アイテムがめっちゃ登場するのでヨナタンの冒険はわりとイージーモードですが、多彩な土地、キャラクターの描写で飽きは来ません。正統派ファンタジーで一番影響を受けたのがこの作品だと思います。

#6 『盗まれた記憶の博物館』 ラルフ・イーザウ(酒寄真一訳)

 同じくラルフ・イーザウ。これはちょっと怖い要素もあって読んでいてドキドキするタイプのファンタジー。『ネシャン・サーガ』より対象年齢は上のような気がするし、実際に読んだのも少し後だったと思います。

 ベルリンの双子の姉弟の元に、警察が訪れる。警察がいうには、博物館の警備員をしていた父親に、博物館の石像を盗んで失踪した容疑がかかっているという。しかし、気づけば双子には父親の記憶がなかった。家の様子を見る限り父親と暮らしていたに違いないのだが、記憶がすっぽりと消えている。父親の日記を見つけ、読んでみると、そこには失われた記憶の世界『クワシニア』のことが書かれている。父親はクワシニアに旅立ち、そのせいで自分たちの記憶から消えたのだと考えた二人は、後を追ってクワシニアに行く方法を試すが、記憶の国に旅立ったのは弟だけ。姉は弟の記憶も失ってしまう。

 忘れられたものが集まってくる世界、という設定(今で言う幻想郷だな)と、そこに人為的に行くと記憶から消える、という追加設定で、「記憶が盗まれていく」という危機が出来ています。姉弟が分たれた後は、それぞれの世界で父親を助けるための戦いが始まるわけですが、これもまたファンタジー世界と現実世界の並行構造です(好き)。姉弟の絆もいい感じです(好き)。

#7 『ホビットの冒険』 J.R.R. トールキン(瀬田貞二訳)

 説明不要その2。

#8 『指輪物語』 J.R.R. トールキン(瀬田貞二、 田中明子訳)

 説明不要その3。

 しかし死ぬほど長かったという記憶だけがありますね。あんなん10代パワーが無いと読みきれないだろ。逆に小さい頃に読んでおかないともう読めないから小さいうちに読んどけという感じか。

#9 『ハリー・ポッターと賢者の石(《ハリー・ポッター》シリーズ)』 J.K.ローリング(松岡佑子訳)

 これも説明不要枠か。なんだかんだ本編7巻までは読みましたね。1巻読んだ頃と7巻読んだ頃とでは大分自分の精神年齢が変わっていたので楽しみ方にも違いが出てきてよかったというか、ちょうどいいタイミングだったように思います。小学生の時に7巻まで続けて読んでも最後の方よくわからんかったのではと思いますし。

#10 『精霊の守り人(《守り人》シリーズ)』 上橋菜穂子

 いやこれも説明不要であるべき名作だと思いますが。アニメとかドラマとかやってたし知名度はあるんでしょうね(どっちも見てないが)。結構シリーズたくさん出ていますが読んだのは多分4巻目までかな……。けどすごく面白かったので印象深いです。ややこしい話なのであらすじはコピペすると「老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。」

 これは和風ファンタジーではなく和製ファンタジーの大傑作です。世界の設定や文化伝承の描き方がすごく緻密です。好きだったのは1巻の現実世界サグと精霊世界ナユグが交錯するシーンと、2巻の闇の中の弔いバトルです。あんなん勝てんわ。

 

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