【感想】『日本列島妖怪短編集 もののけの国』 青砥十(眠る犬小屋)

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 第二十六回文学フリマ東京にて入手

 ゆるふわ妖怪小説とのことで気になって手に取りました。うわぁゆるふわ妖怪小説だ。めっちゃ良かったです。

 十六都道府県について、各所のご当地妖怪が絡んだ短編小説が入っているというもので、その大半が『後輩書紀シリーズ』。不思議なものが見える物知り後輩書紀のふみちゃんと、そのお世話係で理屈屋のセンパイ会計数井くんの話。基本、天丼で安心して読める。センパイ、違います。安定感ある。好き。テイストとしては日常の謎っぽいところがあるので日常の妖怪とでも言うべきジャンルなのだろうか。妖怪シリーズとは言いつつ、妖怪ハンターみたいに妖怪目当てに山奥に来たぞみたいなそういう話にはしていないのがなんか良いなと思えました。中学生がそんな頻繁に全国旅行できないし。文フリで偶然見つけたので認識してなかったのですがこのシリーズは既刊もたくさん出ているようです。

 途中途中、シリーズ外の独立した短編が挟まりますが、それはゆるふわから打って変わってちょっと怪談っぽいものがあったりと、多彩。一冊で見たときに良いアクセントになっているように思いました。

 岩手の話が一番好きですね。表紙にもなってるし、一番優遇されている……。実際、47都道府県で妖怪力を比べた場合、岩手は遠野物語の時点で段違いに強いのに、宮沢賢治まで動員されたら勝てるわけないだろと思った。あとは大阪の新鬼劇がめっちゃ笑えたので楽しかった。骨バラバラはずるいやん。

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