『春よりつめたく、小春よりあたたかな/セファイドの残光』 雨下雫/小島宇良(C1講義室)

 第二十六回文学フリマ東京にて入手

 両A面仕様。バランスの良いコンビで素敵です。二本ともすごく楽しめました。

『春よりつめたく、小春よりあたたかな』は、ダメになりきれない感じの主人公が、不思議系女子といちゃつく話……なのか? 幻想描写というか、夢か現か幻かの描写は筆力を感じました。小春はかなりやばい感じがしてこのやばさを演出できているのがすごい(語彙がない感想)。「あははは! あつかった! あつかった! あついでしょう?」のところが最高に好きですね。こう、無邪気かつ妖艶みたいなのが好きなのだろうか。なんかそう言葉にしてしまうと身も蓋もないが。もっとあたためすぎてくれ。何気に横浜小説であるのもポイントだと思いました。

『セファイドの残光』は、だらけ気味の大学生が出られなくなる話、というと既視感はありましたが、田村さんが可愛かったので良かったです。おれもシーパラダイスでイルカが見たい。バナナミルクも飲みたい。この敬語女子は強すぎる。くまのキャラクターも良いですね。そしてこれも横浜小説だ。あとがきによると既刊の話と関係性があるようですが、『地下鉄東西線爆破レモン』以外は読んでいないので、機会があれば読んでみたいと思いました。