『百億の昼と千億の夜』 光瀬龍

 昔、萩尾望都の漫画版を読んだことがあるけど原作は初読。

 超スケール時空哲学SF。超越者に挑むはシッタータ、プラトン(途中からロボ化して全部セリフがカタカナになって超絶読みにくいぞ)、あしゅらおう(なぜか美少女)。そして敵がナザレのイエスだったりMIROKUだったりする超スケール。最後のオチの部分は(書かれた時期を無視して)現代から見れば割とありがちで、ショートショートくらいの長さでも十分ありうる内容なんだけれど、ともかく壮大なスケール感の設定と、終末の荒涼とした世界観の描写で読者を引き込み、読ませる力があると思う。そして原作を読んで改めてこの雰囲気を表現した漫画版もすごかったなと。

 ナザレのイエスが長いから(?)、「ナザレの!」って呼ばれだすの好き。

『逆行の夏 ジョン・ヴァーリイ傑作集』 John H. Varley

 傑作集だった。巻頭の「逆行の夏」は、なんか翻訳が微妙に感じるところがあったりして詰まり(古かったせいかな?)、まあ、うん、と思いながら読んで、「さようなら、ロビンソン・クルーソー」も、なるほど、という感じだったのだが、「バービーはなぜ殺される」がめちゃめちゃ好きで、以降全部好きだった。「バービーはなぜ殺される」みたいな、SFなんだけど宗教みたいなのが混入してきてるのすごい好きなんだ。まあこれは設定と中盤が良くて、最後はちょっともうちょっとこうとは思ったところがあったが、次の「残像」は最後まで凄まじい。このラストが書けるのはすごすぎるでしょ。ほんまに。「ブルー・シャンペン」はエモくあるべくしてエモいので良かった。そして最後の「PRESS ENTER ■」が非常に良かった。若干古臭いところはあるが、得体のしれなさがすごい。結局この作品だけ他とジャンルが違う気がするんだけど、なんだかんだ一番好き。読んだ後に残る。