【感想】『モンスター小説集』 アーカイブ騎士団

 第二十七回文学フリマ東京にて入手。上記はKindle版。

 ハチャメチャに面白いモンスター小説。四編収録されていますが二編は超短編、二編が中くらいの長さの短編。どれもレベルが高く、どれもレベルが高いです(語彙のレベルが低い人)。某氏からおすすめされたので特に中身とか見ずに買い求めましたが、買ってよかったぞ。Kindle版買えるから今すぐ買って読んだほうが良いと思います。

マンティス(高田敦史)

 人工知能に書かれたモンスター小説を紹介する文章という体裁。お題がモンスター小説なのにいきなり盛った設定で度肝を抜かれた。しかもその盛った設定がちゃんと活かされて回収され、これほど気持ちいいことはない。中身の小説『マンティス』もモンスターミステリとして良くできているし、ともかく怪作。

ヤマタノオロチ(メカ京都)

 小ネタだけど笑う。ヤマタノオロチも確かにモンスターだよな、なるほど和風で攻めるのか、と思わせて一発ネタは和風じゃない。良いアイデア。

狼男の首探し(森川 真)

 いやこれもめっちゃすごい。モンスター小説って言われてこうなるんだ……。戦後占領期ノワールモンスター小説。世界設定、キャラ、アクション、いろいろと好みな点が多く、大いに刺激されました。なるほどとか言いながら読んでた。ホーマーは良い感じに黒い主人公だし、鋼太郎は良い感じに背負わされている男だし、文夜は好き。

太平洋の奇島にゴーゴー鳥を追う(高田敦史・森川 真)

 ダジャレにいいね!してくる人は信じておけという話。ギャグが楽しい。確かにこの作品で全体のバランスがうまい感じになっている気がする。

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