【感想】『ジーク・ヨコハマ』 6人のヨコハマ戦士たち

 第8回Text-Revolutionsにて入手

 横浜をテーマにしたアンソロジー。表紙にカオスと書いてあるが実際にかなりカオス。6編の作品(と座談会)を収録。というか座談会のボリュームが結構ある。最初めくったときに謎の三段組が後半にあるのがわかったから、組版を工夫した作品があるのかな?と思って読み進めたらまさかの座談会だった。読んで一番好きだったのは今田ずんばあらず『半球のスター・ダスト』で、童話みたいな始まり方からの変化球、無理のある横浜要素、からのアクロバティックになんかきれいな話になって回収して締めるという、遊びと技術を感じさせる作品でした。座談会で平塚の宮沢賢治とか書いてあったけどその表現がハマってて笑う。それぞれの横浜観が垣間見えるのは結構面白く、ひざのうらはやお『Dear Y』と転枝『赤い光、横浜』はそれが対照的に見えるのも楽しめて良かった。『Dear Y』は横浜に対する私怨感がすごくて、由紀の描写が結構好きで、んで最後なんか急に気持ち悪い感じになって(褒め言葉)終わるのが良かった。『赤い光、横浜』は一番正攻法に横浜小説っぽい。ビブレとか。一応僕もかつて横浜にいたので。やはり横浜がテーマなので横浜に対して様々な感情があると楽しめそうだなという合同誌でした。

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