『ヴァージニア・ウルフ短篇集』 Virginia Woolf  西崎憲訳

 明日の文フリにて頒布されるウルフ本が気になっており、とりあえず文フリ前になにか一冊読もうと思って読みました。大学の何かの授業で『ダロウェイ夫人』を読んだような気がしなくもなくもないのだけれど、あと同じく何かの授業で「意識の流れ」ってこんな感じですよみたいなサンプルでなにか短編を読んだような気がしなくもないのだけれど、まあ授業で読んだ気がしなくもなくもないということは実質読んでないも同じ。Kindle化されている邦訳は少なかったので今回はこれを。

 意識の流れ、とよく言われるのでそれは認識しており、詩に近いイメージを持っていたけれど、改めて読んでみると、『ラピンとラピノヴァ』や『堅固な対象』なんかは結構ストーリーラインがあり、短編小説として面白くて、気に入った。今まで(実質読んだことなかったなりに)あったウルフのイメージが補正されたように思う。一方で、『キュー植物園』と『書かれなかった長篇小説』は逆にもともと(実質読んだことなかったくせに)あったウルフの、というか意識の流れ系のイメージに近くて、気に入った作品。特に『書かれなかった長篇小説』は語り手の存在感と終盤の気持ちいい感じが良かった。全体的にやっぱり読むのスピード(というかそれこそ意識の流れ)が引っ張られるので、読むのは大変。でもこの文章かっこいいよね。