『bnkrR vol.16 平成』

 第二十八回文学フリマ東京にて入手

 テーマ『平成』ってめちゃくちゃ難しくないか、と思ったら実際一冊の1/3くらいしかテーマにしたがってなくてちょっと笑った。というか具体的には短編3本で、松永肇一『AI世界をキモオタと旅する』は元号切り替えをネタにしたサイバーSF。ベイジアンフィルタの設定が厨ニっぽいのが好き。塚原業務『平成の塚原』は、平成四十二年に迷い込むという異世界パロディミステリ(?)。過去作品『奇祭探偵』のスピンオフで独特のゆるい空気が良い。城島はむ『平成サルベージャー』は失われた青春を取り戻そうとする青春時間SF。ネトスト後輩女子すき。

 その他、平成に特に関係ない通常営業の小説と、エッセイ、レビューを収録。その中でひときわ良かったのが、なんかよくわからない得体のしれなさがすごかった『霊話』。平成特集が終わって霊話が始まるダジャレ感(?)。怪談ショートショートが連作されているのだが、筆者とかの情報が一切書いてないのが謎感を高めていて良い。『佐南弁』『吹雪の日の妹』『目玉』が特に好き。