『息 -Psyche- vol.3』 アナクロナイズド・スイミング

 第二十八回文学フリマ東京にて入手

 特集「夢オチ再考」ということで、夢オチをテーマにした一冊。ほぼ小説、若干論考。

『夢オチ探偵』17+1

 任意のタイミングで『目覚める』ことにより難事件を夢オチにして強制解決する能力を持った名探偵の話。探偵モノのテンプレギャグと、夢オチを前提とした出オチ設定で話を進める力技も好きだし、そこから来てラストが何故かセンチメンタルになるのすごく好き。執筆者コメントにある通りで、合同誌の性質上、夢オチであることは予め読者に示されている状態で何を書くかと考えた時に、この設定には必然性があって、でもそこで独自の世界が描けているのが良いと思った。

『逆夢』17+1

 ありがちな夢と現実の組み合わせが反対になっている夢を見るという話なんだけれど、不思議な終わり方をしていて、これ結局夢なのか、というのがよくわからない、混乱させてくる作品。夢オチの一系統としてたしかにそういう「夢か現か」的なのがあり、作為的にそれを使いながら夢の話をしていくという作品なんだろうなと思う。

『ふたりがキスしたら即夢オチする連作短篇集(百合編)』みた

 タイトルでオチてるので好き(?)。タイトルがすべてなんだけど、夢オチと連作短編ってめちゃめちゃ相性が良いなと気付かされた。めちゃめちゃに話広げていって最後戻ってくるの好き。

『巡夢あるいは「夢見」の素描』渋江照彦

 夢オチが構造上夢と現実の二項対立であるのに対しそれを外しにいくという意欲作で、とても面白い構造だった。大学の授業のシーンあたりからどんどん不気味になっていくというか、得体のしれなさがうまく演出されていて良かった。

『(愚考)虚構信者よ浮遊しろ 〜乱歩の短篇から夢オチをかんがえる』月橋経緯

 江戸川乱歩を題材に夢オチについて考える論考。乱歩のネタバレが含まれるということで、残念ながら読んだことなくて今後読まないとも限らないのでちゃんと読んでおりません。読みたい。

『夢オチの話をしよう』淡中圏

 論考と小説のハイブリッド。夢オチについて考えながら夢オチの小説を書いたり、夢オチの小説を書くことを考えたりする話。これも読み進めていくにしたがって、メタ展開含めて大きく物語の次元が広がっていき、最後に戻ってきて着地するという話で好き(多分自分がそういう構成好きというのもあってこういう感想がやたら多くなるのだが)。ツイートしてるとこで笑った。