【感想】『蟹 摂食思考機構』 木村凌和

 第二十九回文学フリマ東京にて入手

 蟹SFじゃん。やっぱり蟹SFが静かなブームなのではないか。表紙に蟹とドーンと書いてあり、インパクトがあり、惹かれてしまう。小説本で表紙買いとかあんまないと思ってるんだけど、存在に気づかせる力はやっぱりあると思う。「電子生命《カルサイト》のキャリーに「食べられたい」と言う毛ガニの蟹(名前)。板挟みになった少女アキは、十七歳だった頃のひいおばあちゃんを再現したシュミレートデータ・タマちゃんの助言を得て、蟹を茹で、炭酸カルシウム系電子生命へ転成してしまう。」というあらすじがハチャメチャなんだけど、実際読むとあらすじの通りで勢いがあり(あらすじが強い小説は大体面白いんだよな)、でもなんか最後きれいに落ち着いて終わったのがずるいですね。

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