【感想】『姪探偵登場!』『姪探偵対恐喝王』 ソルト佐藤

 第二十九回文学フリマ東京にて入手

 最近妹じゃなくて姪というジャンルが流行っているとかなんとかいう説があるけどそのあたりを逆手に取った(取ったのか?)「ちょっとお茶目な姪の探偵が若い叔母さんと共に」事件に立ち向かう推理小説。二作ですが(二作目の『対恐喝王』は上下分冊なので物理的には三冊)まとめて感想書きます。

 一作目『姪探偵登場!』は千里眼退治。トリックの都合上ではあるんだけど最初の方が意図的に読みにくくされている部分があってつっかかるんだけど、そのあたりも含めて最後に回収されるのでよい。スキル人材の話すごい好きで、ネタとしてこういうの入れるのもいいし、シリーズの広がりを感じさせる要素にもなってるのが良い。

 二作目『姪探偵対恐喝王』は推理小説として一回り二回り本格化していて、でも軽いギャグの雰囲気もしっかり残してあって好き。タイトルがホームズ要素を示唆しつつその表紙で「女子高生がやればなんでも流行るっす! 軽音楽でもキャンプでも地味な推理小説でも!」とか言ってるバランス感が好きですね。実際中身も重さと軽さの使い分けが好み。恐喝王の追い詰め方も、真意も、ラストの展開も、様式美でありホームズ感を現代化した感じで、楽しめました。

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