『令和の怪談』 Machidania.

 第二十九回文学フリマ東京にて入手。令和の怪談をテーマとする短編5本。令和にしても怪談にしてもかなり広く捉えられており、ホラーとかそういう感じではない。

『エクソシストは要らない』 akkt

 なんかこう静か系というか特に何かが起こるわけではない話なんだけどそこに妖怪を入れておきましたという一作。当然のように妖怪がいるの好き。あと冒頭エピグラフが意味深なのもいい効果を上げている。妖怪とリトアニアがなかったら多分あまり面白く感じないタイプの作品なんだけど、ちょっとそういう要素を入れるだけで空気が変わるのは不思議。「崎陽軒のシュウマイ弁当」という致命的な誤字がある(崎陽軒エアプか?)(過激派横浜民)(シウマイ警察)

『エウリュディケの画筆』 nanica marui

 雰囲気好き。名前の由来を考えればヒルメはヨミの兄ということだけど、同時にAmaterus自体という意味もあるんだろうか。座敷童子というのは。タイトルの意味が取りにくい。エウリュディケがオルフェウスの妻のエウリュディケの意味だとしたときに、絵の才能があったとかの話って別にないと思うし……よくイザナミとエウリュディケが重ねられる事があるから、名前が明記されていないけど母親がナミなんだとして、職業もデザイナーらしいし、そっちから来たなにかみたいな要素があるのか? ルドンと関係があるのかとも思ったけどよくわからず。みたいなことを色々考えて楽しかった。

『まどろみ、うたたね、夢をみる』 春紫苑

 サークルアイコンのバクの伏線が回収されたのが楽しかった。バク出るのかよ! 視点(焦点)の変更がちょっとわかりにくくて混乱するところがあった。ナンセンスな展開にバクがうまく効いてる。バクが強い。好きな作家サガンの下り好き。

『眠りゆく者に敬礼を』 meme

 天才エンジニア失踪しがち。これは完全にこっち側の問題であって作品に瑕疵は無いんだけど、なんとか財団あんまり好きじゃないので、あーとなってしまった(予期せず話がなんとか財団になるのとなんとか神話になるのがちょっと……)。

『酒天童子』 kawaiiyumegirl

 この作風というか、主人公とその友人の造形、なんだっけ。なんかあるよねこのジャンルが。なんか5作の中でこれだけ方向性が違うと思うんだけど(だから最後に載ってるのかな)、でもこれが一番好きですね。下北沢感が楽しい。緋月さんが強くて良い。終わり方の雰囲気も好き。