【感想】『息 -Psyche- vol.5』 アナクロナイズド・スイミング

 第三十一回文学フリマ東京にて入手。特集「マンガ物理学」。また難しいテーマだな……。そういえば今回原稿落としネタ枠がないように見えるけど、原稿も落ちたことに気づくまでは落ちないのかな?

エイブリーシティの一夜(淡中圏)

 マンガ物理学のチュートリアルみたいな感じ。入門書だ。オチが良かった。

七〇一号室の黒電話(鹿島渡)

 得体の知れなさ。マンガ物理学で小説書こうと思ったら基本それでボケる方向に行くと思うんだけど(他の作品はだいたいそうだし)、怪異として扱って説明しないというアイデアが良かった。受話器浮いてジリジリしてるの絵面めっちゃ面白いのに怪異ですからね。

ピヨピヨチキンパーリー(鹿島渡)

 ピヨピヨチキンパーリーという語感が良い。もうちょっと話の展開が欲しいと感じた。

高見柄落太郎(月橋経緯)

 足場がないだけに不安定な話。読んで落ち着かなくなってしまった。落語のとこ好き。

ある狂人の手記。あるいは、コマ割り宇宙のパラドクス。(みた)

(なりましたね)のとこがすごく好き。観測者が百合を作る理論だ(適当)。あと名取さなさんは僕も好きです。

Deadlineの東(稲田一声(17+1))

 リフロー型電子書籍化不可能小説だ! 世が世なら『紙魚はまだ死なない』電子版への収録を交渉しにいきたい作品ですが、リフロー型電子書籍化不可能なので電子版は出ません。ペンネームの使い方がズルくて笑ってしまった。ズルいでしょ。二回読むことになるのが楽しい作品。

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