雨月物語SF合同『雨は満ち月降り落つる夜』&リフロー型電子書籍化不可能小説合同誌『紙魚はまだ死なない』の復刊

 この度、私が企画した2冊の合同誌について、Amazon Kindle Direct Publishingのペーパーバック出版(POD)を活用した復刊・再販を開始しました。

雨月物語SF合同『雨は満ち月降り落つる夜』

 近世日本を代表する怪異小説『雨月物語』の9編を、SF的視点から再解釈する小説合同誌です。

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 オリジナル書籍版は2019年5月の文学フリマ東京にて頒布、また若干数をBOOTHでも通販しましたがおかげさまで即日完売してしまい、以降はKindle版電子書籍でのみ配信を行ってきました。Kindle版電子書籍を普段から利用されている方はそちらで読んでいただけるので良いかと思いますが、紙の本で読みたいという方もいらっしゃるかと思い、この度ペーパーバック版を提供することとしました。

 KDPペーパーバック版での変更点について。オリジナル書籍版は表紙にすべすべとした市松模様加工がされた用紙を使用して、印刷自体はタイトルの2行だけ、というデザインを取っていましたが、KDPペーパーバックの用紙で同じものを印刷するのはさすがに寂しすぎるかと思い、思い切って朧月デザインに変更しております。また、本文レイアウトについて読みやすくするため修正を加えました。これにより若干ページ数が増えたのと、KDPペーパーバックで使われる本文用紙がオリジナル書籍版の本文用紙よりも厚いため、全体的にオリジナル書籍版よりも分厚い仕上がりとなっております。収録作品の内容には変更ありません。

リフロー型電子書籍化不可能小説合同誌『紙魚はまだ死なない』

 リフロー型電子書籍(表示するデバイスの画面サイズや文字サイズ設定に合わせて、流動的なレイアウトで表示する電子書籍)にすることが絶対にできないオリジナル小説6編を集めた合同誌です。

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 オリジナル書籍版は2020年5月の文学フリマ東京を目指して制作していましたが、当該イベントが中止となってしまったため、BOOTH通販を主として実施(通販イベントのText-Revolutions EXにも参加)。2刷目も追加し、個人的な感覚としては、通販だけのオリジナル小説の合同誌としては結構多いのでは……という部数をみなさまにお届けさせていただきました。

 上記ページにまとめたように評価するコメントを多くの方にいただきました。また、文學界2021年1月号の特集『文學界書店2021』において、作家の伴名練先生に「ハイストレンジ・ブックス」の1冊として、「次世代の筒井康隆や円城塔を予感させる実験小説群」とのコメントと共にご紹介をいただきました。大変光栄に思います。

 という反響をいただいておりながらも、内容の性質上Kindle版電子書籍を出すというわけにもいかず、一方で主宰の私がもう自家通販のしすぎで店員にマークされたくない等を言い訳に書籍版の3刷再販も行っていなかったため、あとから本書のことを知って下さった方にはお届けすることができない状態が続いてしまっていたのですが、この度Amazonの新サービスが渡りに船となりました。

 KDPペーパーバック版では一部作品の軽微な修正や、KDPの仕様上の制約への対応を行ったほかは、オリジナル書籍版と同内容となっています。こちらは表紙のデザインも変えていません(ただしオリジナル版のエンボス加工の用紙は使用できないため、通常の用紙にマットPP仕上げとなります)。

 あと、復刊に際してちょっと掌編書きました。

 以上二冊、ぜひお楽しみいただければ幸いです。