『AI法廷のハッカー弁護士』 竹田人造

 有識者正しいんだよな~。

 裁判官がAI化されてその穴を突いて無罪をもぎ取るハッカー弁護士の話。という設定で舞台がきっちり整っており、キャラが立ってて、連作式で大きな陰謀が見えてきて、という王道エンタメの構成。AI周りも作者が本職らしく、所々それっぽい話をねじ込んできたり小ネタも楽しい。一番良かったのはテンポ感とギャグで、シリアスな論戦の中でも一笑いさせてくるサービス精神がとっても嬉しい。地の文の使い方とか、ワンテンポ置いて回収したりとか、天丼とか。バイブスを感じる。終盤の諸々が明かされるところは、ちょっと説明難しすぎません?と思ったところがあったけれど、最後のアンサーの付け方はエンターテイメントとしてのスカッとする感じと、社会におけるAIの受容に関する一つの答えをしっかり出す真面目さと、でもギャグはちゃんと入れて笑わせるぜというやっぱりエンタメの案配が大変に好みだった。良い小説です。