【同人サークル向けtips】discordにBOOTH商品販売通知botを設置する

 いかがでしたか?(先制攻撃)

 前回に引き続き、今回は、以下の画像で「売れている!」とか叫んでいるBOOTHで商品が購入されたときに通知してくれるbotについて解説していきます。

 上記のツイートに書いているとおりで、これは複数名が参加しているサークルにとってはモチベーション的に非常に嬉しいものです。一人サークルの場合は全く不要です。メールを見れば良いから。

 そう、メールです。BOOTHで商品が売れたときというのは、それを知らせるメールが届きます。このbotはメールをトリガーにして動いています。具体的に言うと、

  • BOOTHからの通知メールをgmailで受信する
  • gmailで、BOOTHからの通知メールに特定のラベルを付けるフィルタルールを設定する
  • Google Apps Scriptで、gmailの受信ボックスで特定のラベルが付いた未読メールを検索し、ヒットしたらdiscordのWebhookにpostして、当該メールを既読にする処理を定期実行する

 以上です。IFTTTよりちょっと難しいですね。IFTTTはgmailの受信ボックスと連携できないからです。許せねえな。でもgmailのフィルタルールとGASを活用することで、案外簡単なんですよね。BOOTH以外のサービスでも、売れたことをメールで通知してくれるようなサービスになら応用も利くと思います。

 ここまで説明したら分かる人には分かったと思うし以下は雑に説明していきます。

gmailのフィルタ設定

 説明は以上です。

Google Apps Script

 Google Apps Script、通称GAS。これってG suite scriptとかに改称されたりしてないんだなと思っていま調べたらもうG suiteとも言わないのか。さてこれは何かというと、まあざっくり言えば……エクセルのマクロあるじゃないですか、あれのGoogle版です。

 これはGoogleのサービスを良い感じに操作できて……

var checkLabel = "booth";
var threads = GmailApp.search('is:unread label:' + checkLabel);

 これでboothラベルが付いた未読メールを検索できます。うわあ、良い感じじゃないな。スレッド単位。BOOTHの販売通知メールは基本的にスレッドに固まってしまうのでそれを踏まえた処理が必要になります。

 さて、以下はそれを踏まえていない処理です。

var count = threads.length;
for(var i = 0; i < count; i++) {    
    var messages = threads[i].getMessages();
    if(messages.length > 0){
        var postMessage = "BOOTHから通知:`" +
            threads[i].getFirstMessageSubject() +
            "`\n『紙魚はまだ死なない』 が売れている!";
        discord(postMessage);
        for(var j = 0; j < messages.length; j++){
            messages[j].markRead(); //これthreadに対してmarkReadでよかったな
        }
    }
}

 何で踏まえていないかというと、適当に検索して出てきたコードを加工してスレッド内を順番に通知するように書いたら既読分まで通知してしまうバグが出て、そこでちゃんと未読だけ通知するように改修すりゃいいのにめんどくさくなって1回だけ通知にしていることにより、謎の構成になっててなんかこう、尾てい骨みたいな、盲腸みたいな感じになってますが、まあこういう割り切りが、デジタルトランスフォーメーションです。こうやって検索して拾ったコードを切り貼りして作ったやつを溜めておいて設計図共有サイトで共有すると転職サイトで適正年収が診断できます。まあ10分ごとに実行とかにしておけば、その時間内に一気に何部も売れるってことあんまりないだろうし……目的はみんなのドライヴ感だから……。

 discordを呼ぶところは普通にこうです。これはこの記事の方のを利用。

function discord(message) {
    const url        = 'https://discordapp.com/api/webhooks/xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx'; //discordのwebhooksのurl
    const token      = 'xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx';//discordのwebhooksのトークン
    const channel    = '#egosearch';//送信したいチャンネル
    const text       = message;
    const username   = 'ささのはストア';
    const parse      = 'full';
    const method     = 'post';

    const payload = {
        'token'      : token,
        'channel'    : channel,
        "content"    : text,
        'username'   : username,
        'parse'      : parse,
    };

    const params = {
        'method' : method,
        'payload' : payload,
        'muteHttpExceptions': true
    };

    response = UrlFetchApp.fetch(url, params);
 }

 これ動いてたけど、なんかいま公式の見たら所々不自然な気もしますが、動きゃ良いんだよ。適正年収三兆円になりたい。関係ないけどこのWordpressテーマでコードブロック始めて使ったけど(笹帽子の樹はテックブログです)、神武以来のクソダサでしょこれ。なにこれ?

 これを10分とかのトリガーで実行してください。まともな解説が読みたい人はGAS gmail 検索 webhookとかで検索して調べてみてください。いかがでしたか?(リフレイン)

【同人サークル向けtips】discordにエゴサbotを設置する

 いかがでしたか?(先出し)

 同人サークル向けのtipsということで自分が主宰した合同誌などでやっている手法を紹介します。

 まずは以下のイメージ画像をご覧ください。

 今回やり方を紹介するのは上記で「Silverfish」という名前のエゴサbotです。BOOTHの購入通知の方もそのうち紹介するかもしれない。

 これはTwitterで検索をして、ヒットした新規ツイートをdiscordに投げてくれるbotです。ここにサークル名や合同誌名を設定しておくことで余さずエゴサが実施でき、単純エゴサの手間から解放された貴方はより高度なエゴサ(戦利品画像ツイートの中に自分の同人誌が映り込んでるのを探すとか)にシフトできます。これが、デジタルトランスフォーメーションです。

 これは非常に簡単にできています。

  • IFTTTでtwitter検索して、ヒットしたら、
  • discordのWebhookにPostする

 これだけです。

IFTTT

 これです:https://ifttt.com/

 便利です。IFTTT、If this then that、なんかあったらなんかする。無料アカウントで3つまで、この「なんかあったらなんかする」を作ることができます。ここに、「Twitterでxxxを検索して新規ツイートがヒットしたら、Webリクエストする(If New tweet from search for xxx, then Make a web request)」という設定をします。

 まずアカウントを作成して https://ifttt.com/create に行くと、こういう画面が出ますね?

 ここでIf This(なんかあったら)、Then That(なんかする)を指定します。

 If Thisをクリックして、Choose a Service画面でTwitterを選択、Choose a trigger画面でNew tweet from searchを選択しましょう。Search条件にエゴサしたいワードを入れます。Twitter検索の文法が使えるので、ORで複数単語入れたり、RTは除外したりといった設定も可能です。このあたりは事前にTwitter検索で欲しいエゴサ結果になっているかどうか確認すると良いですね。なお、初回はそもそもTwitterアカウントを認証する必要があります。

↑なんか入力欄見切れてるけどな

 さてIf Thisの設定ができたら次はThen Thatです。

 Then ThatをクリックしてChoose a Service画面に行ったら、今度はWebhooksを選択し、Choose an actionでMake a web requestを選択します。一択でも選択なんだよ。

 入力欄が出てきたけど何を入れたら良いか分かりませんね? ここでdiscord側でWebhookの設定を確認しに行きましょう。

Discord

 DiscordのBotというのは、本物のBot(アカウントを持って振る舞うやつ)と、WebhookのBot(正式名称は知らん)がありますが、ここで言っているのは後者です。

 管理権限を持っているDiscordのテキストチャンネルの設定画面を開くと、「連携サービス」というメニューがあり、ここにWebhookの設定があります。

「新しいウェブフック」を押して、botのアイコン、名前、チャンネルを選択します。

 選択できたら「ウェブフックURLをコピー」しましょう。そのURLはたいせつです。URLを知っている人はあなたのdiscordチャネルに書き込みし放題になります。ツイートしたりしないように!

IFTTTの続き

 Make a Web Requestの設定画面で、以下のように設定します。

  • URL:たった今discordからコピーしたURLを入れる
  • Method:POSTを選択
  • Content Type:application/jsonを選択
  • Body:{ “content” : “{{LinkToTweet}} ” }と入力。LinkToTweetのところが良い感じに表示されます(?) ここは分かってる人はお好みでカスタマイズしてください。

 さて、これでIf This Then Thatが指定できたので、Continueします。

 必要に応じて名前を付けて、Finishです。試しに条件に当てはまるツイートをしてみて、反応するのを待ってみましょう! よきエゴサライフを!

↑設定例

『わたしの名は赤』 オルハン・パムク 宮下遼 訳

 なぜ積読に入っていたのか記憶喪失だけどなんかミステリ的な文脈で勧められた気がしています。確かに殺人事件が起きて犯人が分からない(容疑者三人のうちの誰かである)という状態で話が進んでいくので、推理小説的な趣向を取り入れてはいるけれど、ミステリとしてのエンタメ的な面白さがあるのかというと別にそんなになくて、しかしこの西洋と東洋の相克を中心に繰り広げられる論争、ものすごいボリュームの挿話、オスマントルコの香り、そして語りの重層がすごい。語り手が章ごとに変わって、主要登場人物たち以外にも死体だったり犬だったり金貨だったり赤だったりが語り手になっていくというのが単純に多彩で面白い(細密画だね)。それで彼らがみな語り手であることに自覚的だというところで、十六世紀っぽくないというかモダンな感じが入り込んでくるのも、やっぱり面白い。あと、三人がそれぞれ三つの寓話を話すところとか、ダイジェスト的に絵で話が進むシーンがすごい好きだった。長くてちょっと疲れるけど良い読書。

CONTROL

 これは神ゲーです。

 めちゃめちゃ面白かった。今本編が終わったところでこれを書いています。DLC分がまだあるしやってないサイドミッション結構な量がありそうだからまだまだ楽しめるな。

 まず設定やストーリーテリングがめちゃめちゃ良いんですよね。SCP財団に影響を受けた感じの世界なんだけれども、これはツイッターにも書いたがSCP財団僕は好きじゃないんですよ。理由はよくわからんがシェアワールド的な共同二次創作的なあれが好きじゃなくて。でもこういう風にちゃんと独立の作品にしっかりなってた場合にはSCP財団的な、ニューウィアード? これ、題材としてはめちゃめちゃ好きなことに気づかされてしまった(サザーン・リーチも読まなきゃ……)。っていうか自分もそういう小説書きたくなってしまったので多分書きます。さてそういう世界設定が、めちゃめちゃ大量で読むのだるいテキスト資料と、おもしろ映像資料で浴びせかけられてくる。特に映像資料が好きで、ダーリング博士のキャラが良すぎる。スレショルドキッズは意味不明だよあれなんなんだ。ダーリング博士のダイナマイトがこのゲーム最高のクライマックスだった。

 アクションゲームとしてはなんか怠いなと最初は思ったんですけど、じきに楽しくなりました。最初は結構コツが掴めないというか、いやコツはあって、後退して慎重に一体ずつ殺すのがコツなんですけど、それ気持ちよくないじゃないですか。だからまあアクションとしてはなとか思ってたんですけど、段々能力強化して武器も強くしていくとどこかのタイミングですごい楽しくなった。まあ多分投擲を強化しまくったタイミングな気がしてならないが。投擲して通常か貫通打ってれば良いみたいなところはありそう。

 で終盤は演出が良かった。序盤から演出のかっこよさは抜群だったけど、終盤になって終盤らしい畳みかけがすごくて、フィンランドのタンゴ強制視聴からの迷路の爽快感、すごすぎるでしょう。すごい設計だよこれ。でクソダルコーヒーカップ片付けの一連のやつでもアーティーが良い味出してるのホントズルいな。アーティーが一番好きだけど、というか全キャラ味付けめちゃめちゃ濃いのもすごい。なんだこの連中。もう終盤はうおおお!!!っていう楽しさだった。神ゲーです。

(追記)書き忘れたんだけど公平を期すために言っておくと、日本語ローカライズはゴミです。誤訳、統一されてない口調、統一されてない訳語、画面に収まってないテキストなどがありふれている。これで金取ったらダメだよ。

#百合文芸3 を読む2

 続きです。

前回:https://www.sasaboushi.net/blog/2021/01/31/1860/


家出の仕度(おか)

  • ジャンルはわからないがちゃんとした小説(広義の恋愛小説……ささやかな交流もの?)
  • これ良いですね! 心情描写が丁寧で好きでした。
  • 高校生デートかよみたいな下り、好き。
  • 「早期退職した50代女性と30代ネイリストの話」と言われたら普段の自分だったら食指が動かないであろうところ、これは読んで良かった。こういうフォロイーの投稿作品は全部読むぞみたいな企画をやって良かったという瞬間ですね。

お姉さんと十二歳の私がグリーン缶を飲む話。(すみやき(明日から休講です。))

↑読んだのはURL1つ目の方
  • ジャンルは……お姉さんと十二歳の私がグリーン缶を飲む話?
  • 文体やギャグが好みとズレていたので残念ながら自分には合わなかったけれど、最後までやりきっているので作風としてしたいことをしていると思う。

美少女探偵美咲 青空のディスタンス(鳴原あきら)

  • ミステリ。
  • 笑うとこじゃないんだけど冒頭のセメントの下りの説明台詞なんか面白くて笑ってしまった。
  • 日常の謎系で百合なのでジャンル的に好きなやつです。楽しめた。
  • 同時に、ジャンル的に好きということはハードルが上がってしまうので欲張りなコメントをすると、文字数に対して関係者が多くて、中野さん後半になって飛び込んできたな感がちょっとあった。
  • シリーズ設定になっているので続きも書くのでしょうか。書かれたら読みます!

以上! 駆け込みで投稿した人とか見逃してたらごめんなさい。皆様お疲れ様でした。

先輩はなぜ私のジャージで跳べるのか?

 日常の謎三角関係百合小説(を目指している)、『吸血鬼はなぜ日常の謎を探し求めてしまうのか』の第3話を更新しました。過去回、霧島回です。偶然遭遇した男子の忘れ物を届けてあげようと思ったらその男子生徒がどこにも存在しなかったみたいな話です。

 長編書くぜって言ってプロットを練ってたけどどうも行き詰まったので息抜きがてらこっちを更新しました。かなりシェイプアップした感じの(??)短編になりましたが、まあその分このシリーズは全体的にさらっと読めると思うので、読んでいただければ幸いです。

#百合文芸3 を読む

 そういうことです。

  • フォロイーです。フォロワーじゃないです。一方的にフォローしてる人も含む。
  • 肉眼で探しているので漏れてたらすみません。漏れないように宣伝しまくってください。
  • 一人で複数作投稿している人については、一旦一作のみ。
  • 感想にネタバレを含む場合がある(ミステリ方面など、明らかに避けた方が良さそうな作品については避けてる)。
  • 今日明日で滑り込みで投稿する人もいるんですよね? 待ってますよ。

私はラブレターなんか書かない(yu__ss)

  • 恋愛小説。
  • うおー恋愛方向なのに二人が喋らないというか直接向き合わない、一方通行の手紙というフォーマット、良いですね。
  • 手紙というフォーマットの危うさみたいなものをプロットにしっかり活かし込んでいる。受け取った側は他人に見せてしまうことが可能である(だから送るのに勇気が要るはずだ)とか。書く側も読む側もこう、酔いがちとか。
  • 鳥のモチーフ、籠の鳥というか、飛んでいきたい的な感じなのかな。終盤のほのめかし方からするとそういう読み取り方をした。
  • 読み終わった直後、解決しないで終わってしまうのはもったいないとまず感じた。でもこの双方の正面向かい合えてなさというか、そういうのをテーマとしているのならこの終わり方が逆に断絶感あって良いのかなとも思い直した。

鏡のなかに魔女をみつけた(大藤凛)

  • ファンタジー。
  • 嵐という表現の仕方が良かった。
  • リコさんの迫り方や最後の達観ぶりみたいなのが良かった。酒(?)飲んでたりとか。
  • 重めの設定(リコさんの存在の仕方とか)個人的にすごく好きなやつ。ただちょっと急ぎ足で設定出してる感じがして、長編向きの構想かもしれないと思った。

祖母の遺言(七田次美)

  • ミステリ。
  • 話の内容としてはかなり複雑なんだけどそれでも構成がしっかりしている。フックがしっかり効いていて牽引力がある。読ませる。
  • 古風を意識しているところの文体や台詞が好き。
  • 心中と遺書の意図のトリックが良かった。
  • 良く出来ている分、叔母さんその動機でわざわざその複雑なことやるかなという引っかかりがちょっと気になった。

すずるい、肉を食む(彼岸堂)

  • 肉コメディ(?)。
  • なんか色々露骨なんだけど一点突破型で大変良い。
  • コロナ禍で苦しむ外食業界への福音。
  • 疾風迅雷とか風林火山とか言うとこ好き。
  • 経験者の兄がアドバイスしてくるとこ好き。
  • 外食業界っつーか特定チェーンだろうが。これスポンサーついてる?
  • 最後こういう形で処理するのは腕ですね。

その女の子は背が高いので誰にも気づかれない(ソルト佐藤)

  • ミステリ。
  • 小賢しいことにウィンクでめちゃめちゃ笑ってしまった。そして最後で泣いた(笑った)。
  • 強すぎる姉良いよね。
  • 絶対暗い話で終わらせないからという安心感があるのが良い。
  • 英題の通り一応スレンダーマンネタなんだけどスレンダーマンにたどり着くまでにたっぷり2話使うのが謎の面白さがあった(???)(0.5センチの怪獣既読者なので謎の面白さを感じたがこれ初読の人からしたら一体なんなんだってなりませんか???)

きみの愛だけがぼくのハートをこわす(黒岡衛星)

  • ジャンルわからない。日常?
  • 魔女谷ウィッチって名前面白すぎるだろ。
  • と思ってたら本名出てきたとこで今度こそ声出して笑ってしまった。ズル。
  • Vtuberであったりコロナ禍であったりチェーン店や流行のガジェットであったり自分はあんま知らないけど音楽であったりで日常感というかこの現実に近い感じを出してくる空気がうまいなと思った。

 とりあえず以上!

次:https://www.sasaboushi.net/blog/2021/02/01/1862/

『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』 宮澤伊織

 ずっと気にはなっていました。怪異とかネットロアとかを扱っていて百合らしいと。それ好きなやつじゃないかと。都市伝説を扱って百合を目指した小説を書いていたときに方向性が近いと言われたこともありました。それなのに今まで読まなかったのはなんとなくWeb上の宣伝の方向性が気に入らないという完全に私怨な食わず嫌いだったのですが、そういう食わず嫌いは良くない、ちゃんと読んでから判断すべき、という天使の人格がKindle版50%オフセールで殴られたので買って読みました。

 残念ながら微妙だなと感じました。これは題材が好きだからハードルが上がっている可能性が高いのですが、なんかネットロアとりあえず出しただけで生かし切れてない感(4話の裏世界の怪異たちへの解釈はちょっと面白かったのだが、その理屈だと海兵隊がきさらぎ駅に到着はしないだろとか思ってしまって、この作りの感じだとその辺を続刊で回収……とかもあんまり期待できないなぁと)、あとは小説として上手く感じないというか、多分これ、アニメで作画動画が良ければ楽しいと思うんですが、小説という媒体で読んだときにあんまり良さがないんじゃないかなぁと思いました。心情とか。あとはそれこそネットロアってテキストだしそのへんなぁ、とか。多分題材が好きだからハードルが上がってるだけだな……。アニメを見ようかと思います。→(追記)アニメもnot for meだった……

『アンソロジー 『破戒』 Breaking Knox』 たけぞう他

 第三十一回文学フリマ東京にて入手

 十人の執筆者でノックスの十戒を一つずつ破るアンソロジー。かなりキャッチーなアンソロジーテーマですし、多くの人に読んでもらえるテーマ設定であることは間違いない、企画の勝利です。ただ、基本的にはハードルが上がって難しいレギュレーションだと思います。だってノックスの十戒って破ったらアンフェアでつまらなくなるぞっていうルールなわけで、普通に破ったら単に面白くなくなります。ルールを破ってる部分を超える何か光るものがないといけないわけで、それってものすごいハードルだと思います。しかしそのハードルに立ち向かいアンソロジーとして完成させたのは素晴らしいと思いました。ちなみに小説同人誌で箱に入ってるのは初めて買いました……。すごい気合いだ。

 以下、個人的に面白かった(ルールを破ってる部分を超える光るものを感じた)五作について個別の感想です。ネタバレあります。

『探偵が遅すぎる』たけぞう

 違反しているのは「犯人は物語の当初に登場していなくてはならない」か。この違反を面白くするのは十の中で比較的難易度が高いと思いますが、しかしそのハンデを覆す面白さとしてホームズ役とワトソン役の入れ替わり叙述トリックをうまく使い(もちろん普通に引っかかりましたが、思い返せばこの叙述トリックで有名な作品を思い出したりした。偽ホームズ役のあからさまな変人感を出して、っていう)、推理をひっくり返し、ボドゲのガジェットも上手く使い、と、色々と良い感じにまとめていてすごい! タイトルも上手いし。ちゃんと本格をやってる人が書くやつですね(僕はちゃんと本格をやっていないので適当に言っています)。とても面白かったです。本書で一番良かった。そしてこの方がアンソロ主宰というのも、強い!

『オリオン』もうエリ

 なんか青春というか百合というか、そういう雰囲気が良かったです。違反しているのは「未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない」で、純粋にミステリとして読むと構成に無駄があるように感じられますが(別荘に行くまでが長いとか)、しかしその無駄パートで主人公の屈託を書き連ねていくことで上手く個性が出せていると思いました。

『最害』カリフォルニアデスロールの野良兎

 違反しているのは、読んだときは「探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない」なのかと思ったのですが、あとがきによれば「サイドキック(ワトスン役)は自分の判断を全て読者に知らせなくてはならない」だそうです。ん、それって主人公がワトスン役っていうことなのか? それとも犯人がワトスン役なのでっていうことなのか? というあたりがレギュレーション的にモヤモヤしたものの、話自体はちゃんとミステリであり自分の好みで、面白かったです。

『白鼠』アルギル・ラッセ(阿木良介)

 いきなりSFっぽい設定。かと思えば始まる怒濤の、こう、それ系の設定語りとそれ系の会話。このドライヴ感が尖ってて好きですね。違反しているのは「犯行現場に秘密の抜け穴・通路が二つ以上あってはならない」ですが、それをメインに据えず、それとなくかつ堂々と破っているのが上手いなと思いました。最後ちょっとそこで終わるの!?感あるんだけど、それを押し切るメインガジェットと怒濤の冒頭だったので良かった。

『日暮海音の金欠』そうしろ/安藤壮史朗

 違反しているのは「探偵方法に超自然能力を用いてはならない」。これに違反しながら面白くしようと思うと、メタ的な話だったりアンチミステリ的な破調方向にいくわけですが、それでいて会話劇によって組み立てられた日常の謎が普通に面白く、最後にしっかりと能力のネタも回収して上手くまとめたのはやられたという爽快感がありました。『探偵が遅すぎる』で本書で一番良かったと書きましたが、この作品が自分としては本書で二番目に良く、また一番良かったのと二番目に良かったのがこれだけ違う方向性というのも、一冊のアンソロジーの楽しさが存分に感じられました。

睡眠スコアバトルSF小説『米の眠り姫』

 まず睡眠スコアバトルっていうのはね……(経緯を丁寧に説明する幼馴染みヒロイン)

 私は経緯を丁寧に説明する幼馴染みヒロインにはなれないのでこのあたりの記事を参考にしてください。

睡眠スコアバトルを始めたんですが、初日から病院送りの予感がする話(追記あり)|くしだのおぼえがき|note

 まあ睡眠スコアを測ってSNSでシェアする遊びなんですが(説明してるじゃん)、スマートバンドというガジェットの未来感や、それでやってることが結局SNSでシェアというこのなんとも言えない感じ、これ、SFですよね? SFです。

 ということで、勝手に宣言して、

 勝手にツイートして、

 この度、上記を冒頭とする掌編小説を書いて、以下に投稿しました。

米の眠り姫 – ねじれ双角錐群

 上記ツイートの後、なんか書けないかなとぼんやり考えていましたが、昨日一日でネタを思いついて勢いでガッと書いています。そんな年末駆け込み仕事なので至らぬ点も多いのですが、勢いは気に入ってます。Sekiro楽しいよねという気持ちを込めました。睡眠スコアバトルSFにSekiro楽しいという気持ちを込めるのは本当に良くないのでやめてください。本来なら天穂のサクナヒメをプレイして天穂のサクナヒメが楽しいという気持ちを込めるべきだったんだよな。そうかな?

 ちなみに、睡眠スコアバトルSF小説コンペ参加作品はまだ他に見たことないんですが、Twitterのハッシュタグでは #睡眠スコアバトル文学 で睡眠スコアバトラーたちがしのぎを削っています。早く寝た方が良いぞ。

 というわけで今年は短編小説4本に加えて最後に掌編1本(短編と掌編の区切りは感覚です)を書くことができました。来年は長編を書きたい。よろしくお願いいたします。