『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』

『キミノスケープ』宮澤伊織

  • 好き。雰囲気が静かで綺麗。
  • 良い感じなのでもう少し先まで行って欲しいというか、きちんとけりを付けて欲しいという気持ちがある。
  • これを百合SFアンソロジーの冒頭に持ってきて殴ろうという心意気良いと思った。

『四十九日恋文』森田季節

  • 良いアイデアだと思ったけど、良いアイデアからもう一歩出てくれなかった感じがあった。
  • と書いて思ったけど、けれど、題材からしてツイストが決まるような話でもないというかそういうのがあったらそれはそれでご都合主義すぎる感じがするから、これくらいでちょうど良い気もしてきた。

『ピロウトーク』今井哲也

  • 好き。雰囲気と構成。
  • 漫画入れていいんだ。良いね。

『幽世知能』草野原々

  • 難解さと露悪的な描写(?)が、印象には強く残るけれど、好きかと言われると違う気がする。

『彼岸花』伴名練

  • 好き。圧倒的に上手い。本書で一番好き。
  • 百合SFへのアンサー過ぎませんか。
  • A⇔Bでもなく、AとBとCでもなく、二組の姉妹を構造に取り入れているのが巧み。
  • 大正風文体だと書簡体でも描写に迫力が出て良いなぁ。
  • 活動写真使うの良い意味でズルい。道具的だ。

『月と怪物』南木義隆

  • すごい。好き。
  • 射程が広い。距離も時間も。
  • 暗いのに明るいのが心に来る。

『海の双翼』櫻木みわ×麦原遼

  • ちょっと難しすぎに感じて、上手く入り込めなかった。

『色のない緑』陸秋槎

  • 学生時代の描写とかの雰囲気好き。三人の関係や周辺設定の書き込みが厚い。
  • 結論部、題材としてすごく好き。
  • そこに至るまでの現在ラインのストーリーはちょっと淡泊かなと感じた。題材的にも動きは出にくいか。

『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』小川一水

  • 自分でも不思議なんだけど文体が好みに合わない。客観的に見ると自分の好みに合う方向性な感じがするのですが。小川一水作品は数作読んでいるけれどライト方向だと水が合わないのかもしれない。ハード方向のは好きだったので。
  • 日を改めて読みたい。

『老ヴォールの惑星』 小川一水

 とても良かった。

 SF小説。ハードSFっぽい空気にしつつ人間を描くタイプ。四編どれも、途方もなさによる極限状態のつらさみたいなのが描写され、息苦しいんだけれど、必ず結末は明るいのが希望を感じさせてくれて(きっとそれはポリシー的なものなんだろうと思う)、読後感が良いのが素晴らしい。安易に暗い感じにならないというのは結構な信念を必要とすると思う。全部好きだけど、選ぶなら「漂った男」が一番かな。

『時砂の王』 小川一水

 王道っぽいSF。海外モノのような硬派な語りでありながら、メインの舞台は邪馬台国、ヒロインが卑弥呼というジャパニメーションっぽい雰囲気が楽しめた。ただ読後感としては物足りないというか、収まるべきところに収まったというところで終わってしまっている感じがした。