『老ヴォールの惑星』 小川一水

 とても良かった。

 SF小説。ハードSFっぽい空気にしつつ人間を描くタイプ。四編どれも、途方もなさによる極限状態のつらさみたいなのが描写され、息苦しいんだけれど、必ず結末は明るいのが希望を感じさせてくれて(きっとそれはポリシー的なものなんだろうと思う)、読後感が良いのが素晴らしい。安易に暗い感じにならないというのは結構な信念を必要とすると思う。全部好きだけど、選ぶなら「漂った男」が一番かな。

『時砂の王』 小川一水

 王道っぽいSF。海外モノのような硬派な語りでありながら、メインの舞台は邪馬台国、ヒロインが卑弥呼というジャパニメーションっぽい雰囲気が楽しめた。ただ読後感としては物足りないというか、収まるべきところに収まったというところで終わってしまっている感じがした。