『アラスカ 風のような物語』 星野道夫

なんでこんなに印象的な文章が書けるんでしょう。時々、一つの文章のなかの最後の一文がものすごく魅力的で、ふわっと来たり、ぐっと来たり、がつんと来 たりします。ひねくれた見方をすれば、「なんかあざとくてあれな文だな」ってなってしまいそうなのですが、不思議となりません。それは多分、星野さんが実 際にアラスカを何年も歩いた重みのようなものがあるからなんじゃないかと想像します。写真からもそういうものがイメージできます。
あくまでイメージであって、実際の星野さんが感じてる事とか、あるいはもし僕が実際にアラスカに行ったとしたらそのときに感じる事とは、また全然違うのでしょうが。

癒されました。

『旅をする木』 星野道夫

かなり長い事ちょびちょび読んで、やっと最後までいきました。と言っても、短編のエッセイ集なので、別にバラバラに読んでも困るものではありません。というか、だからこそ読むのがゆっくりになってしまったのですが。

星野さんは文章もうまいですね。優しいです。「自分に個人的に送ってきてくれた手紙を読んでいるような気持ちになる」とレビューを書いていた方がいましたが、確かにそういう感じがしました。

アラスカ行ってみたいですねぇ……。
アラスカに限らずどこか遠くへ行ってみたいです。この間オーストラリアまで行きましたが、友達と一緒だし、街に日本語あふれてるしで、正直海外旅行としては微妙でした(修学旅行としてはとても楽しかったですけどね)。

最近、「やらなければならない事」が眼前に延々敷き詰められていて、ちょっと嫌気がさします。忙しい事って言うのはそれなりに充実してるってことだし、一番忙しい部活はやっててとても楽しいものなので、その内容自体が嫌なわけではないんです。勉強だって楽しいです。
ただ、やっぱり、ゆとりがないし(別に皮肉でゆとりという言葉を使っているわけではありません(笑)、やりたい事がちゃんとできない、というか。来年の6月で部活は引退ですが、そしたら受験生しなきゃいけないし。
やりたい事というのは、別に星野さんみたく一人で海外に飛び出して行きたいとか、そういうでかい事じゃなくて(いや、妄想としてはありですが)、もっと小さなことでもなんですよね。
それで、例えば去年のうちにもっとこういう事をやっておくべきだったとか、今しかできない事をやらなきゃ後で後悔するかもしれないとか、そういう焦った気持ちになるというか……。でもこういうフラストレーションの事を青春って呼ぶんですかね? そんな気もします。

本とあんまり関係ない事を書いてしまいました。
しかしこの本を読んでると、忙しい生活の中でちょっとした安息が得られるかもしれません。実際に時間があるかといえばないのだから、それは想像力を駆使した代償行為に過ぎないのかもしれないけど、でもそれはそれでいいかもしれません。
是非本棚に置いておきたい本なのですが、図書室で借りて何回も再貸し出しを繰り返した上、テストを挟んだせいで大分延滞して、督促状が教室に来てしまったので今日返してきました。まったく図書委員のくせに。
機会があったら買うかもしれません。

『森と氷河と鯨 ワタリガラスの伝説を求めて』 星野道夫

川野さんに薦めていただいた「旅をする木」は学校の図書室に入っていなかった(今度リクエストして買ってもらおうと思ってますが)ので、入っていたものを借りて読んでみました。

星野道夫さんは、シベリアで就寝中にテントをヒグマに襲われ亡くなりました。そのことは僕は知っていましたが、偶然にも(この本を手に取ったのは特に選ん だわけではないので「偶然」という意味で)この本の元となった連載の取材中に、星野さんは亡くなったのでした。この本は元々月刊誌に連載されていたもので すが、その事故によって未完となっています。

やっぱり、写真も、文章も、うまいです。
なんていうか、引き込まれるものがあります。
題材となっている話題自体が、とても興味深いもので、どんどん読み進んでしまいます。その一方、星野さんが感じた“静けさ”の一部みたいなものが、写真や、文章から伺える星野さんの自然観によって再現されて、読みながら何とも言えない気分に浸ってしまいます。
こんな場所が今も地球にあるんだ、と思うと、単純に深く感心してしまったり、行ってみたいと思ったり……。なんだか俗だとは思っても、地球温暖化その他もろもろの環境破壊は止めないと、みたいな事も漠然と考えさせられます。

亡くなるすぐ前まで、付けていた日誌を読むと、これは星野さんの伝えたかった事とは多少違う、すくなくともその方法は違うのだろうけれど、生と死について考えさせられるのでした。