『うつくしい繭』 櫻木みわ

 これ系の経緯で読んだ。

 アジアをフィーチャーした四本の短編で、それぞれ舞台が東ティモール、ラオス、南インド、南西諸島。東ティモール舞台の『苦い花と甘い花』が良かった。結末の重さやどうしようもない悲しさから、そこまで積み重ねられた描写や説明がもう一度返って来るというか、放心状態にさせられてしまう読後感があって素晴らしい読書体験だった。他の三作は『苦い花と甘い花』と比べると自分の好みの基準からは一段引いていたけれど、それでもどれも各地の空気が鮮やかに描いてあって、味わって読む事ができて良かった。